【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

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文責:ジェムコ日本経営 執行役員 ニュービジネス開発事業部 事業部長 財田 和典 


◆「技術の神様」たる所以

 日本の技術の守り神、今回が3回目になります。企業経営者の方々にお会いする毎日ですが、人材、特に自社のものづくりに関わる技術者人材へのご要望、ご相談が絶えることはなく、昨今むしろ増えてきています。

人手としての技術者不足のみならず、定年退職による技術者の不在、技術伝承の問題などは誰もが認識するところですが、その根底には、いま改めて日本企業が得意とした創意工夫を発揮し、グローバル経済下で勝ちうる商品の開発、ものづくりを実現する技術への弛まぬ取り組みへの強い思い、拘りというものがおありのように感じます。それが、そこに関わる技術課題解決への対応、専門性の高い技術に強い人材へのニーズとして私どもにご要請いただいているわけです。


◆技術の神様ならではの人間的な魅力も
 “この分野では誰にも負けない”という高度な専門技術を有するシニアの技術者によるベテラン技術コンサルタントである「技術の神様」(技術コンサルティング)。本サービスに携わってきて感じることの一つに、「技術の神様」は高度な専門技術に詳しいというだけではなく、考え方、人生観、哲学など確たるものをお持ちで、人間的にも魅力ある人柄、尊敬申し上げる人財だということです。

「技術の神様」のホームページは、コチラ

 その背景には、技術の神様の発掘経緯が大きく影響しているようです。私が24年間の経営コンサルティングサービスの営業活動を通じてお会いした社長以上の経営トップは、延べ2,000人を超えます。

技術コンサルタント候補の人材の発掘には、経営者をご経験されたエグゼクティブの方々に、長年お付き合いされている技術者の方から、この方であればという方をご推薦いただいています。

 信頼できる方から信頼される方をご紹介いただくという「信頼が信頼を呼ぶ」人脈の輪の広がりは、いろいろな方のフィルターを通し、素晴らしい人財、“技術の神様”に巡り合えることにつながっているわけです。

◆リアル・オンリーワンのサービス
 企業のお悩みとして「昔は当社のオリジナルで保有していた技術だが、その技術に詳しい技術者がすでに定年退職し、当社にはいまは何も残っていない…」ということをよくお聞きします。

そこで、技術伝承を図る上で社内技術塾やナレッジマネジメント構築等の取り組みが出てきます。これは絶対必要であり、いわば「予防医学」といえるでしょう。

 並行して、自社において弱くなってしまった技術、既になくなってしまった技術については「移植手術」を施すことが必要になります。この役割を当社の「技術の神様」(技術コンサルティング)が担っています。

 「技術の神様」の理念は「弛まない日本のものづくりの支援」です。
弱くなった技術、なくなった技術の獲得のみならず、若手技術者に技術者魂も注入してほしい、技術の原理原則を改めて教えてほしい、技術者のマネジメントの仕方も学びたい…等、寄せられる課題はさまざまです。
また最近は、調達先に対してさらなるWin-Winの関係を強化したいので、調達先の技術面を指導してほしい、という依頼も増えています。これは、品質、歩留まりの原因になる「技術的ネック点」を克服して調達先の収益性を改善し、長い目で見てお互いにWin-Winとして発展していこう、ということです。
 こうした課題解決を指導できる人材が社内におられないということでご相談いただくのですが、“この分野では誰にも負けない”技術のベテランのスペシャリストは、シニアの方々です。先ほど述べましたように、技術の専門性のみならず、人間的な魅力も持った方々です。技術の指導を通じて、そこから得られるものも多いということです。真の技術者魂を直接感じ取れるという機会さえ無くなっているということはございませんでしょうか?

◆真に有効な「技術の神様」に会えるチャンスを逃すな
 この人にお願いしたいという「技術の神様」による技術コンサルティングを提供出来るタイミングは「いま、この瞬間」であり、この機を逃がされると提供できないケースも出てきます。

二度と現れないかもしれない技術のスペシャリストによる技術コンサルティングは、いま、この瞬間、貴社だけに提供できるリアル・オンリーワンのサービスであるといえます。

【本サービスに関するお問い合わせ】jemco-frontierアットjemco.co.jp (アットを@に変えてお送りください)
 

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

今まで述べてきた「海外でよくある問題」は、経営を進める上でのリスクの一つであるが、海外でオペレーションする場合は、発生する可能性のあるリスクを想定して、事前に対策、点検をしておくことが事業継続を図る上では必要不可欠なことと言える。

それでは、海外で事業を進める上で、どんなリスクがあるだろうか。先ずは「生産が停止するリスク」である。生産が停止すれば、事業は継続できなくなるからだ。また、「安全や健康リスク」、「環境変化リスク」、「税務リスク」、以前述べた「未回収リスクや労務問題等の現地での経営を進める上でのリスク」、さらに合弁の場合は、「パートナーに関わるリスク」等も存在する。これらを少しでも回避するには、日頃から意識して事前に対策をしておくことである。今回は、この中から、先ず、生産が停止するリスクについて考えてみることにする。


◆生産停止にはどんな原因があるか

 生産が停止する原因には、火災や水害といった災害、労働争議、ストライキ等による生産停止、反日運動等の妨害による生産停止、インフルエンザ等の蔓延による操業停止、また、調達先のトラブルによって部材が供給されない場合や、政情不安や港湾スト、政策的な輸出入規制等に起因する場合がある。この中で、労働争議の話しは以前も取り上げたので、今回は、先ず、ある日突然発生する災害に起因する生産停止へのリスク対策から考えてみたい。
 

◆災害による生産停止への対応(ある事例から)
 自社工場が火災、水害、地震等で生産停止に追いやられるというようなことは、無いにこしたことはないが、実際、火災は、ある日突然発生する可能性がある。また、水害は、以前発生したタイの洪水は有名だが、インドネシア等も多く、地域や気候によって発生するリスクがある。これらは、進出時等、事前にリスクチェックを行ない、これらのリスクが少ないエリアを選定するか、事前にリスクを想定して盛り土等の対策をしておくことで、被害を最小限に留めることが必要だ。

ところで、筆者も以前、海外の経営責任者をしていた時に、一つの工場で火災を発生させてしまった経験がある。今回は、この時の内容を紹介する。

発生時間は、深夜未明で、発生場所は、工場の事務所であった。朝早く出勤した社員が発見したのである。事務所は全焼したが、幸い、密閉状態で延焼は免れ、誰ひとり怪我もなく、生産設備は無事であった。しかし、主要な電源ケーブルがすべてこの事務所の上を通っていたことから、工場への送電が全くできない事態になり、この工場は真っ暗というだけでなく、すべての生産設備が動かせない事態になった。また、隣にある物流棟への搬送装置の電源ケーブルもここを通っていたことから、物流棟が機能しなくなり、火災の発生していない他の工場で生産したものの搬送もできなくなった。1つの工場の事務所だけの火災にもかかわらず、全工場の生産が停止する事態になったのである。

 筆者がこの事態を知ったのは、朝、会社へ向かう車の中だった。緊急連絡網が機能し、すぐに連絡がきた。対策本部の立ち上げを指示し、会社に到着と同時に現場を確認した。この時点で、警察や消防、また、保険会社やシステム会社等への連絡はすでに行なわれていた。また、誘導係がハンドマイクで、出勤してくるこの工場の従業員に食堂に集まるように誘導してくれた。記録班は、何時に警察が来て、何時に保険会社が来て・・・と写真と共に時系列に記録に留めてくれた。お陰で、日本への報告も時間経過も含めて適切に報告することができた。対策本部では、いつまでに復旧させれば顧客への納品に問題は発生しないかの確認をし、いかに早期に復旧させるか、そのための対策を検討した。先ず、物流棟への電力供給を別ルートにすることで、火災をおこした工場以外の操業が開始できるようにした。1時間だけのストップで留めることができた。火災が発生した工場の復旧で、一番、問題だったのは、消防の現場検証がいつ終わるかであった。現場検証が終わらないと復旧工事に入れないからだ。最初に現場検証に来た調査官の女性のリーダーは、上司の確認がいるので、明日まで、このまま現場保存せよと言いだした。それでは復旧工事にあたれないことから、ローカルの取締役がその上官に直接話しをするように動いてくれた。実は、このあたりは、ローカルから、ある程度、原因の特定を推察できる説明まで用意した方が早いとの提案がなされ、うまく話しをしてくれたのである。おかげで、午後7時前には復旧工事の許可を得ることができた。

 現場検証をしている間に、復旧工事部隊は、見事な外段取りをしてくれた。事務所の中の燃えた机等を先ずは撤去しないと作業に入れないことから、撤去品を置く場所が決められ、搬出のための運搬具が用意された。また、設備をすぐに動かすために、電源ケーブルを、直接設備に配線し、恒久的な工事はその後でやることに決め、そのためのケーブルが順番にその工場棟の周りに配置された。工場の設備配置図面にはどのように作業するかも記載された。徹夜での復旧に備え、照明器具も用意された。普段から、生産現場では段替え時間の短縮化に向け、外段取りや内段取りのさらなる短縮への取り組みはされているものの、このような復旧工事での外段取りのすばらしさには、内心、感心したことを覚えている。お陰で、翌朝には、8割ほどの設備が動かせる体制が整い、顧客に迷惑をかけることもなく、実質1日だけの操業ストップですませることができた。


◆◆事例からの教訓
 今回紹介した事例は、生産設備への延焼が免れたというラッキーな面はあるが、非常事態の体制がうまく機能してくれたことで、迅速な復旧を図ることができた事例と言える。どの企業でも、日頃から避難訓練や消火訓練は行なっている。しかし、いざ火災等が発生した時に、役目を担うべき担当者が退職して空白になったままになっていたり、担当は決まっていても、具体的にどんなアクションをとる必要があるかが決められておらずに対応が遅れたりという事例は多い。形だけの体制ではなく、常に、担当がやるべきことは理解されているか、また、非常時に備えて準備すべきものは準備されているかを確認しておくことが大切ということだ。

 また、非常時の場合、現地事情がわからない日本人では適切なアクションがとれないことが多い。実際、タイの洪水の例では、復旧に向けて、日本人ではどうしたらよいかもわからず、すべてローカルがやってくれたという会社は多い。事実、ボートや潜水夫の手配一つ、日本人はどうしたらよいかもわからなかったというのが本音である。すなわち、非常事態での体制と役割、何をするかを決め、ローカルに任せるところはローカルの判断に任せることが大切ということだ。実際、筆者が経験した火災の時も、こうした方がよいというローカルの判断をすべて尊重した。現地の火災調査官との交渉だけではなく、復旧に必要な資材や業者・人の手配は、すべてローカルが行なってくれた。通常のメンテナンス業者だけでは難しいものも、ローカルならではの人脈を活用して手配してくれた。結果、それが一番早かったということだ。

 さらに、火災を発生させない、大きくしないという観点では、保険会社等のプロにチェックしてもらうことも有効だ。構造的に改善した方がよい部分は改善しておくということも大切だからだ。実際、筆者が経験した火災は、事務所が完全にクローズされた空間になっていたことで設備への延焼が免れた。いかに発生させないか、また、万一、火災が発生しても延焼を発生させないという視点でのチェックも大切と言える。

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

前回は、海外拠点で発生する知財問題と対策について述べた。今回は、進出前に検討しておくべき事項について述べることにする。特に、どの国で生産するか、また、生産する場合、知財という観点から生産方針を明確にしておくことが重要なのだが、意外にこのあたりが不明確というケースも多い。実際、コスト試算をする際、これらが明確になっていないとコスト見通しを大きく狂わせることになり、大きな目論見差異を発生させることにつながる。また、後任者に引き継ぐ際も、この知財問題について、しっかりと引き継ぎしておくことが大切と言える。以下に、これらのポイントを述べることにする。

◆生産方針を明確にする

 先ず、進出する前に、進出候補国の知財問題の状況を把握することは大切なことだ。知財に対する意識が低い国や法律が未整備とも言える国では、ノウハウが流出し、模造品が出る可能性は高いからだ。知財の流出リスクの高い国では、それなりの対策が必須ということになるし、知財流出が経営面で致命的になる場合は、そのような国に進出すべきではない。

また、進出にあたっては、模造されては絶対に具合が悪いというものは、厳重な管理の下で生産する必要があり、外部に図面や仕様書、また、生産ノウハウが流出するというようなことのない生産体制を築く必要がある。当然のことながら、そのような製品の場合は、外注してもよい部品は何か、絶対に内製しなければならないものは何かを明確にする必要がある。

すなわち、どこで生産するかということも含めて、知財という側面から生産にあたっての方針を明確にして取り組むということだ。当然のことながら、このような製品については、金型の製作やメンテナンス等についても方針を明確にして進めることが必要だ。金型図面や金型構造がわかってしまえば、模造品は作れてしまうからだ。実際、金型の修理については日本で行なうことにしている企業もあるが、これらの企業では予備の金型を持つなど、金型面数も多く必要となる。

すでにお気付きだと思うが、実際、コスト試算をする場合は、これらが明確になっていないと、大きくコストが変わってくることになる。進出前のFS段階で、コスト試算は必須事項だが、その前提として、生産方針を明確にしておかないと、大きく目論見違いになってしまうということになりかねないのだ。

◆知財についての引き継ぎも重要

ところで、知財に対する意識が薄かったり、事前に明確に上記のような生産方針が示されていないと、出向者が交代したりした際に、問題を起こすケースが意外に多い。経営責任を担う出向者の立場であれば、当然、利益を少しでも多く確保するために、外注する方が安ければ外注化を推進するだろうし、また、設備や金型等についても日本に依頼するより、その国の業者に発注した方が安ければ、外注化を推進したりしてしまうからだ、こうなると、結果としてノウハウは流出することになってしまう。日本の場合は、外注化しても、今後の取引のこともあり、図面や仕様書、また、製造ノウハウ等が流出するケースは少ないが、海外の場合は、日本と同じような感覚で外注化等をすると、すぐに模造品が出回ることにつながることはよくあることだ。実際、金型屋に自社の新製品の金型の状況を確認しに行ったら、コンペチターの人が来ていたということもある。金型の写真を、こっそり撮って帰ったとしてもおかしくないし、少なくとも、自社の新製品情報はコンペチターに流れているということになる。

また、一つの部品くらい問題ないというケースもあるが、ビジネスモデルが、補修用のパーツで儲けるというビジネスだと、模造品が安く出回り、事業そのものが大打撃を受けるということにもなる。やはり、事前に絶対に模造されては具合が悪いものは何かを明確にして生産方針を決め、それを後任者にも引き継ぐということが大切ということだ。

◆意匠登録も抜けなく

日本で発売した商品のデザインが真似され、他国で発売されるということは多い。また、日本で発売と同時に、他国で自社商品のデザインが意匠登録されてしまい、その国で発売しようと思っていたものができなくなったという事例も多い。このようなことを防ぐためには、今後発売しようとする地域には、日本と同時に意匠登録をすることが大切ということだ。

ところが、意外に、このあたりの方針が不明確になっているケースがある。意匠はデザイン部門が管轄しており、発売する日本での登録は行なうものの、その商品が、今後、どの国で販売する計画なのかが明確にされておらず、どの国に意匠登録が必要かということが明示されていないという場合だ。

実際、日本で発売して市場性も高いので他国でも発売しようとしたら、すでに意匠権は他社が取得しており発売できないということが発生するのは、中期を含めたグローバル戦略が明確になっていないことに起因している場合が多い。特に、意匠権の場合は、少しデザインを変更してみても類似性があればOUTになるので、根本的にデザイン変更しなければならなくなってしまうケースが多いだけに、最初に、グローバル戦略を明確にして、意匠という視点でも抜けなく対策しておくことが重要と言える。

商標も同様だ。その国で発売しようとしたら、すでに自社のブランドが商標登録されていて、自社ブランドが使えないということもある。自社のブランドで発売しようとすると、商標を買い取る必要があるが、莫大な費用が発生することになってしまう。従って、商標についてもグローバル戦略を明確にして先手で登録しておくことが大切と言える。

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以上、知財について、進出前に検討しておくべき事項の一端を述べた。日本は技術立国と言われるように、正に新たな技術や工法を生み出すことで生き残ってきた。知財の大切さをしっかり認識し、知財を守るということを肝に命じてグローバル展開を図ることが大切だ。 

文責:ジェムコ日本経営 執行役員 ニュービジネス開発事業部 事業部長 財田 和典 

◆「技術の神様」への反響

前回、日本の製造業が技能・技術の伝承、技術者の育成といった取り組みに注力される中、弊社の「技術の神様」(技術コンサルティング)事業に関してお客様のお声を紹介させていただきましたところ、お問い合わせもいただきました。
特にものづくりにおいては、例えば金型とか鋳物とかの技術・技能に関する指導のご相談は多く、そうした技術的な課題解決のお手伝いとなる「技術の神様」(技術コンサルティング)のご案内、ご提供の機会がますます増えています。

「技術の神様」のホームページは、コチラ

◆油圧の神様の例
油圧の神
今回もお客様の声を紹介します。
 【機械メーカー様の例】

―当社には、昔は油圧に詳しい技術者がいましたが、今は定年で既に在籍していません。発注先の部品メーカーから、油圧についてはいろいろと教えては頂いてはいるのですが、すべてそのようにはいかなくなりました。

なにぶんにも、新製品開発時は機密事項が多く、また昨今の海外メーカーとの競争激化もあり、ある程度、当社側で技術的に設計してから、油圧部品メーカーにご相談するというスタンスを取らざるを得なくなり、非常に困っておりました。当社も独自に油圧技術に詳しい方を探していたのですが、適任な方がなかなか見つからなかったり、見つかってもその方が油圧部品メーカーご出身なため、何かとご出身の会社に発注するように誘導されたりということもあり、大きな悩みでありました。 

そこで、中立性をもった第三者として指導して頂ける経営コンサルタント会社として、実績のあるジェムコさんに相談したわけです。今回は、まさに「油圧の神様」という油圧技術コンサルタントによる技術コンサルティングを展開してもらいました。おかげさまで、当初狙いであった油圧技術の獲得と、若手技術者の教育の両方の目標を達成することが出来ました。今後は我々自身が横展開していく番です。社内教育へと繋げていくステージまで来ました。 

ジェムコさんが技術コンサルタントに対して、専門性、経験はもちろん、身元保証に関する厳格な基準を設けられておられたため、優秀なコンサルタント、まさに「技術の神様」に出会うことが出来ました。今回のご指導、ご尽力頂いたお陰で、遠い目標と思っていた油圧技術の獲得が見事に実現し、また育てて頂いた若手社員たちも、最近では自力で考えて行動するなど、逞しく成長することが出来ました。


このように、お客様のニーズにお応えするために、おかげさまで「技術の神様」の陣容もますます拡充してきております。一例をご紹介しますと

●「精密加工の神様」

●「溶接の神様」

●「工程設計の神様」 など、お手伝いできる分野も広がっています。

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文責:ジェムコ日本経営 執行役員 ニュービジネス開発事業部 事業部長 財田 和典

昨今、経営コンサルティングとは別に、技術コンサルティングに関するお問い合わせ、その対応が急激に増えています。

このところ日本の製造業が強さを取り戻そうという動きの中、新興国をはじめとするグローバルでの競争優位を確保する上で、改めて技能・技術の伝承、技術者の育成といった取り組みに各社様が注力されていることを受け、“ものづくりに関わる技術”周りのご相談が弊社にも多く寄せられています。

そこで、弊社では数年前から「技術の神様」(技術コンサルティング)事業を展開し、これらのご要望にお応えしております。
★ 「技術の神様」詳細

◆技術の神様技術の神様-2

 2010年の秋、ある産業振興財団の理事長様が「我が国におけるものづくりの危惧」という講演で次のようなことを話されていました。

― いわゆる2007年問題で、「団塊の世代」が大量に定年退職し、とりわけ技術やノウハウの継承のリスクを大いに危惧されておられました。

定年を迎えた、あるいは定年間近のベテランの技術者・技能者の処遇対応との兼ね合いもあり、今日、貴重な技術、技能が不本意な形で新興国企業へ流出してしまった、という困った事態も生まれています。

優れた技術を有する企業には、必ず技術の核となる人材がいます。それを「技術の神様」と呼びます。

「技術の神様」は日本にいてこそ、「日本の技術の守り神」です!!― と。

このこともきっかけとして、当社も「技術コンサルティング」サービスを本格的にスタートさせました。まさに、日本のものづくりを支える「技術の神様」事業です。以来、おかげさまで、ご活用いただく企業様およびご相談頂く案件(分野・領域の拡大)もどんどん増えています。


◆技術の神様導入企業の声

 「技術の神様」を導入いただいた一例として、お客様から次のような声をいただきました。
技術の神様-1
 【機械メーカー様の例】

―当社は鋳物メーカーではないので鋳物の技術者がいない。しかし鋳物は機械の根本の技術であり、これまで外注先の鋳物メーカーに依存していたので技術的に弱かった。 今回ジェムコの指導を受け、技術の肝の部分の改善ができた。仕掛仕損費も1/5になった。 技術も我々の中に残っていく。技術資料としてまとめられたものが財産になる。 普通の教科書では得られない知見(実際に見て得た知識)が得られた。
 

技術コンサルタントには鋳物メーカーの現場に足を運んでもらい、鋳物ベンダーの評価をしてもらった。毎回、レポートも残してくれる。 これまでは当社の担当が鋳物メーカーの方から教えてもらっていたぐらいで、とてもベンダーの指導はできなかった。 

今回の技術コンサルタント、まさに“鋳物の神様”に鋳物の知識を教わった。 


一方、経営コンサルタントには、前回「コスト競争力強化」の指導を受けた。設計段階から機会損失を発見し、コスト改善する活動で、おかげさまで40%近くのコスト低減の実成果が出た。 

経営コンサルタントは、当社の機械(製品)そのものの知識は無いが、独自の原価低減手法、他の業界での手法など、我々にない原価低減のやり方をご存知だった。


「何故、その活動が自分たちでできないのか」という社内の人間もいたが、我々は経験がないのでできない。何故、自分たちでできないのか…。

それは、自分自身で自己否定はできないからだ。経営コンサルタントは、いわば触媒だ。自分自身が変化するより、他を変化させる触媒である。


一方、技術コンサルタントは、自分自身が化学反応をしてもらえた。

例えるなら、魚の釣り方を教えるのが経営コンサルタント。魚そのものを釣るのが技術コンサルタントでしょうか…。


ジェムコに経営コンサルティングと技術コンサルティングの両面で経営課題解決の支援をしてもらえることは、当社の事業展開において非常に役立っています。―


おかげさまで「技術の神様」のご相談案件がますます増えております。
【本サービスに関するお問い合わせ】jemco-frontierアットjemco.co.jp (アットを@に変えてお送りください)

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

今回は、海外でよくある問題の一つである知財問題について取り上げることにする。とりわけ、中国はじめ新興国と言われる国では、模造品問題は後を絶たない。本物との区別がすぐにつきにくい模造品が出れば、模造品に市場を奪われると共に価格が低下、さらには、粗悪品であればブランドイメージを大きく傷つけ、自社のビジネスに大打撃を与えることにつながる。また、知財問題の中には、意匠権や商標権で苦労する例もある。どの企業も対策に苦慮しているというのが現状ではあるが、日頃からこれらを意識した対策がとられているかは重要なことと言える。

 

◆模造品はなぜできるのか

 模造品はなぜできるのか?この根本原因を理解しておかないと対策は難しい。現物を見て真似たデザインにするということはよくあることであるが、基幹となる部分が模造されている場合は、図面や仕様書等が流出しているケースが多い。さらに、製造ノウハウが無いと製造が難しいという物もあるが、このような物が出てきた場合は、製造ノウハウが流出したと疑う必要がある。

 それでは、どこからこれらの図面やノウハウが流出するか?

 先ず、進出と同時に模造品が出たという場合は、進出にあたっての準備段階で、図面等が渡っているケースである。商談をする際に、サンプルを渡したり、または、サプライヤーを探すにあたり図面を渡したりしている場合だ。逆見本市は、新たなサプライヤーを探すには有効な方法だが、その際に、「自社でできる部品ばかりなので、見積もりを出す上で主要部品の図面を提供して欲しい」と言われ、渡してしまったというようなケースである。すなわち、安易に図面やサンプルを渡すということは要注意ということだ。また、製造ノウハウを伴う生産品の模造品が出たという場合は、従業員がこれらノウハウを持ち出しているケースが多い。すなわち、これらのノウハウを持ち出し、退職と共に、自ら、これを使って同じ物を作るというケースである。日本に研修に行かせ、または、日本からの支援者からノウハウを学ばせ、中核にと思って育てた人材がやめてしまい、自社の生産に問題が発生してしまったというだけでなく、ノウハウが流出して同じ物が他から販売されてしまうというケースだ。

これ以外には、サプライヤーを通じて図面が流出したり、金型を修理に出したことからノウハウが流出したりと、図面やノウハウの流出原因は多岐に渡る。


◆模造品対策
 -真似されない構造・工法等の採用

先ず、このような点から、模造品が出ないように対策するためには、一つには、真似をしようにも簡単には真似ができない構造や工法を入れておくということである。実は、筆者が、海外会社の経営責任者をしていた時、輸出国で模造品が出回ることを防ぐために、他社には簡単にまねができない工法を織り込んで新製品を発売したことがある。しばらくすると、その工法を織り込んだキーとなるパーツをそのまま売ってほしいという注文が、輸出国にあるメーカーからきた。流石に呆れたのだが、多分、他の部品は実物を見て模造できたのであろうが、この部分だけは、どうやってもできなかったため注文してきたのであろう。併せて、堂々とキーとなるパーツを注文してくるということ自体、模造品を出すことへの罪悪感が欠如した国民性であることに驚いた事例でもあった。いずれにしても、模造を困難にするための対策をするということが大切と言える。

◆ノウハウの流出対策

 併せて、ノウハウの流出対策である。冒頭述べたように、本物と同様に機能する模造品の場合は、図面や仕様書等が流出しているケースが多い。もしくは、製造ノウハウ等が流出しているケースだ。これは、機密情報漏洩対策を、その国の事情に合わせて、どれだけ構築できているかにかかる。転職が多い国であれば、その企業で得たノウハウを次の転職先で活用できると売り込んで、より高待遇で条件の良いところに転職しようとするのが常道だ。キーマンが退職したら、しばらくすると同じものが他社から発売されたということはよくある。すなわち、従業員とは、秘密保持契約や競業避止義務契約等を結んでおくことが大切ということだ。どれだけ守られるかは別としても、退職したいと言ってきた時には、この契約内容について再度説明して徹底することが基本と言える。これにより、退職そのものを阻止できることもある。

 その前に、ノウハウの流出を防止するためには、先ずは、機密保持が必要な情報やノウハウは何かを整理することから始める必要がある。これを明確にした上で、機密情報の管理をどのように行なうかを決めていく。書類であれば保管する場所を決め、施錠すると共に、鍵の管理者や管理方法、情報を見るルール、コピー等がとれない仕組み等が有効だ。また、電子媒体であれば保管するサーバーやその情報へのアクセス権限、パスワードの管理やコピー防止の方法等を確立する必要がある。さらに、機密情報は文書やデータだけではない。サンプルや配合見本はじめ「物」ということもある。また、製造工程や工法、計器が示す値等も大切な機密情報というケースは多い。実際、温度や濃度をはじめとした管理すべき事項は製造ノウハウそのものだからだ。

 先ずは、これら機密情報は何か、また、機密の重要度によって区分し、管理レベル・管理方法を決めることが大切ということだ。尚、重要度によって管理レベルを変えるのは、すべて同じレベルで管理するというのは、実質的に難しい。

 ところで、技術者を退職させないということも重要だといえる。とりわけ、中核の技術者になると技術ノウハウの大半を修得しているケースが多く、転職先は、それらのノウハウを活用できるところになるケースが多い。従って、いかに転職を防止するかの対策を日頃から打っておくことが大切だ。法的には規制できないが、日本などに勉強に行かせる際には、10年間は退職しないというような誓約書を出させる等は有効な方法だ。また、日頃から退職を招かないようにコミュニケーションに努めることが大切と言える。
次回は、進出前に、知財という視点で、事前に決めるべき生産方針等について述べる。 

文責:ジェムコ日本経営 広報室 マーケティング担当 安村亜紀
9月に行った「未来予測セミナー新章!1Dayセミナー」の評価が極めて高いものでした。
どうしても都合がつかなくて心残り、内容が非常に気になって仕方ない。といった声を当社あてに100件以上お寄せ頂いておりますので、アンケート結果サマリーとともに、少しばかりレポートしたいと思います。

2014/09/05@東京 2014/09/10@大阪
『未来予測レポート新章!1Dayスペシャル★セミナー』

20140905-10_未来予測セミナアンケート_G-1

<グラフをクリックすると拡大して見ることができます>
参加者は、製造業が8割を占めています。こと、組み立て製造業が多く約5割を占めていました。摺り合せ型製造業こそ、事業の方向性を変革しないと生き残れない危機感を感じているようです。


20140905-10_未来予測セミナアンケート_G-2

<グラフをクリックすると拡大して見ることができます>

セミナー内容について問うと、非常に参考になった。と回答する人数が、かなり多く、全体でみると99%の参加者が参考になったと答えています。当社が企画するセミナーのなかでも一位二位を争う満足度の高いセミナーとなりました。

 

20140905-10_未来予測セミナアンケート_G-3
<グラフをクリックすると拡大して見ることができます>
参加のきっかけについては、そもそも、未来予測レポートへの興味度が高く、新しいレポート内容をキャッチアップしたいという方が多かったようです。中期経営計画のヒントにしたいという声も多くありました。


20140905-10_未来予測セミナアンケート_G-4
<グラフをクリックすると拡大して見ることができます>
関心のあるテーマを問うと、未来予測のセミナー参加者だけに、新サービス新事業、経営計画にまつわる興味度が高いです。一方、グローバル事業推進やコスト競争力への取り組みについては根強い関心度が伺えます。


20140905-10_未来予測セミナアンケート_G-5

<グラフをクリックすると拡大して見ることができます>
課題に対する取り組みについて聞いた結果、中長期経営ビジョンや課題が明確になっていないケースが大半であること、課題に対する解決策がきちっと設定されている会社も少ないことが分かりました。課題推進については、目標にこだわって実行しているものの、未達成で終わるケースも結構多いことが分かりました。



ということで、9月の新!未来予測レポート1Dayセミナーは、皆様の課題に対してストライクゾーンにある内容をお届けできたようです。
追加開催の要望を沢山頂戴しておりますので、半年以内にまた、行いたいと思います。
本件に関するご要望やお問い合わせ等ありましたら、どうぞお気軽にお寄せください。

【お問い合わせ】

株式会社ジェムコ日本経営 広報担当: 安村亜紀 a-yasumuraアットjemco.co.jp
TEL:03-5565-4110

※e-Mailの場合、アットを@に変えて連絡下さい。

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

前回は、話題になった中国の食肉事件の事例について述べたが、今回は、回収問題について述べることにする。

今回取り上げる売掛金の回収問題は、どの国でも発生しているという訳ではないが、インドや中国などの新興国ではよく発生している問題である。実際、売掛金が回収できないと、それはそのまま自社の資金繰りの悪化を招くだけに海外では極めて重要かつ深刻な問題である。しかし、出向者の中には、販売すれば支払ってくれるのが当たり前という日本と同じ感覚しか持っていなかったために、倒産の危機に直面したという例もある。今回は、売掛金の回収に向けて、日頃から注意しておくべき事項例について述べることにする。

 

◆出向者への教育

 冒頭述べたように、先ずは出向者に対する売掛金の回収管理の重要性を、資金繰り、キャッシュフローという視点からしっかりと事前に教育しておくことが大切だ。資金繰りが悪化し経営危機に陥ったケースを見ると、回収管理の重要性への認識不足、また、日常管理すべきことがわかっていなかったというケースが結構多いからだ。

また、海外では日本の常識は通用しないことが多い。実際、インドでは、「いかに支払わずにすませるか、いかに支払いを遅らせるかを考えるのが、経理責任者の役割」とさえ言われる。インドは金利が高い。少しでも支払いを遅らせれば、その分の金利だけでも大きいので当たり前のことだ。


◆与信管理

 先ずは、取引にあたっては、きちんと支払いをしてくれる相手であるかの確認が必須だ。信用を与えられるかどうか、与信管理が大切ということだ。実際、売掛金回収問題が発生している事例を見ると、事前に、信用調査を行なっていなかったということが意外に多い。信用ができないところとの取引であれば、現金先払いでの取引にする必要がある。また、問題がないと判断するところも、与信限度枠を設定して未回収リスクの上限を設定することで、リスクを抑える取り組みをすることが大切だ。

また、信用調査も定期的に行なうことで、変化する経営状況を確認することだ。


◆基本取引契約書

 取引にあたっては、支払い条件等も含めて取引にあたっての基本契約の締結が必須である。現地のローカル企業の社長と意気投合して口約束だけで取引をスタートというようなことはあってはならない。また、不良が発生した時の処置や費用等についての扱いも事前に明確にしておくことが大切だ。

◆回収管理

 売上は、販売した時点で計上するが、お金という点では、基本取引契約書に基づき、請求書を発行することがスタートになる。確実に請求がされなければお金の回収はできないからだ。大切なことは、支払期日に確実に入金がされているかという入金管理である。もし、支払期日に入金されていないようであれば、すぐに督促しなければならない。

期日通りに支払われないケースとしては、請求書の処理漏れ等の理由ではない場合も多い。取引先が「資金繰りに窮している」または「意図的に遅らせている」というケースも多いからだ。特に、取引先が資金繰りに窮している場合は、回収が難しくなる可能性は高く、今、注文を受けて生産しているものについては生産を即座に停めるといった判断も必要となる。また、経営状況を見極め、債権回収が難しいようであれば、取引先にある在庫を引き上げるといった措置も必要になる。そこまでの状態ではない場合も、与信限度枠の見直しを行ない、リスクを少なくする処置も必要だ。

気をつけてほしいことがある。ある企業で、インドの取引先がなかなか入金してくれず、取引先から2カ月のサイトを3カ月にしてくれれば支払えると言われ、安易にそれに応じてしまったという例がある。皆さんはすでにお気づきだと思うが、3カ月にしても同様に入金してくれないままだったのである。すなわち、安易に回収サイトを延ばすというようなことはしないことだ。実際、1カ月遅らせることで金利だけでいくら損することになるだろうか。利益が出ているようでも、回収が遅れれば利益の確保はできなくなるということも理解しておくことが大切だ。また、回収サイトが長くなるということはそれだけ回収できなくなるリスクが増えるということにもなる。

もう一つ注意していただきたいことは、インドなどでは、お金がある時に支払える分だけ支払いをしてくるというケースがあるが、これは具合が悪いということだ。こうなると、どのPO(Purchase order)の分が支払われたのかがわからなくなってしまい、問題発覚が遅れる原因になるからだ。常に支払い内容とPOとは、一対一の関係にしておくことだ。

◆事前の予兆管理

 取引高も大きくリスク懸念のある取引先については、常に定期的な信用調査が必要であるが、日頃から、取引先の経営状態をチェックするように意識しておくことが大切だ。例えば、納品の際に倉庫を見て、在庫が滞留しているかどうかをチェックすることで、お金が回っているかどうかは判断できる。多くの滞留在庫があるということは、現金化が図れていないということで、資金圧迫を招いていることになる。物流業者に任せきりではなく、納品に同行して確認するということも有効ということだ。

◆残高確認

 新興国の場合、取引先のバイヤーや自社の営業マンが、単独、もしくは、共謀して不正をするということはよくあることだ。この不正を防止するという意味では、売掛金の残高確認をすることが効果的だ。すなわち、取引先の買掛金残高と自社の売掛金残高が一致しているかを確認するために、売掛金の残高証明書を取得するのだが、不正が多い国では、これを毎月取得することが有効だ。例えば、自社の営業マンが販売促進をするためのセール費用を出すと約束したなどと言って売掛金残高の中からこの金額を減額したりというようなことが発生していると、それがたまりにたまって、突然期末に、不良債権化してしまうということもあるからだ。常に、健全なB/Sを保つという意味でも、売掛金の残高確認は有効と言える。

◆滞留債権の管理と回収推進

 滞留債権化させないということが基本だが、もし、発生させてしまった場合には、売掛金年齢調べ表を作成して管理すると共に、適切な貸倒引当金の計上、また、滞留化した債権の回収に向けての取り組みが必要となる。実際に現場を見ると、裁判をするまでに持ち込むだけでも苦労されている例は多く、裁判をしても回収までに長時間を要しているケースが多い。

いずれにしても、このように滞留債権化させない日常の取り組みが大切ということだ。

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

前回は、海外でよく発生する盗難問題について述べた。

今回は、7月20日に問題発覚して騒動になった、上海の食品加工会社の消費期限切れ肉の使用事件について、感じたことを述べたい。

今回の事件は、「国民性を踏まえた対応の必要性」を示唆する事件であり、この国民性を踏まえた対応には、以前述べた生産条件の違いを踏まえた生産方式の検討と同じような検討が大切なことを示しているとも言える。今回は、これらへの対応について述べることにする。

 

◆各国の国民性の違いとそれを踏まえた対応について

 国民性の違いについては、先日、取材を受けたので、筆者が経験した具体的な事例については、記事が掲載された際に見ていただくとして(もっとも、どれだけ掲載されるかはわからないが)、我々、グローバル事業を展開する者としては、各国の国民性の違いを踏まえたオペレーションが大切なので、その視点で今回の事件を見てみたい。

 今回の上海の食品加工会社での事件は、自分の利益のみを考えるという国民性がよく表れている。どうしても、人口が多く競争が激しい国では自分の利益を優先せざるをえないという背景がある。そこに、少しでも道徳観があれば別だが、このあたりは、宗教や育った環境にもよるので、それらも踏まえて対応を考える必要があるということだ。それでは、このような国民性の国ではどのような仕組みを検討する必要があるだろうか。考え方は、以前述べた海外に進出する場合の生産方式の検討方法と同じだ。各国で生産する場合、その国の生産条件の違いを踏まえてリスクを抽出し、それに対応した生産システムを構築するということだが、今回の食品の安全確保という視点では、どんなリスクがあり、それに対し、どんな対策が必要だったであろうか。

 先ず、自分の利益だけを考えるということからすると、どんなリスクが考えられるかすべて抽出することが必要だ。このリスクの抽出は、徹底して性悪説で検討することがすべてのリスクを抽出するという上では大切だ。原材料という視点で見てみれば、有害物質が入っていようが、不衛生だろうが、カビが生えていようが、お客がわからなければ、安く仕入れられる肉ならどんな肉でも良いと考える可能性がある。当然のことながら、原材料についての検査基準については、それをいかにごまかすかということも考えられる。また、製造工程では、さらに安くするためには、何かしらの混ぜものができないかと考えてもおかしくない。不良品を作っても廃棄せずそのまま使うということも考えられる。すなわち、これらのリスクに対して、どのような対策を打つかが大切ということだ。原材料をチェックする仕組み、工程に指定のもの以外が入らない仕組み、不良品を再投入できない仕組み等が大切ということになる。ちなみに、検査やチェックを真に正しく行なうには、その企業の社員では難しいケースも多い。利害関係のない全く別の企業に依頼し、もし見逃せば大きな罰則がかかるというような仕組みの方が効果は高い。利益を重視する以上、自社の従業員が不良を見つけても隠ぺいしたり、安くせよという交渉はしても、それを使わないという判断がされることは難しいからだ。実際、日本の輸入業者が確実な品質の品を入れようとすれば、常時日本の輸入業者の人間が検査やチェックの仕事をするというやり方を検討するのも方法だ。

 ところで、今回の対策として、日本の購入側の企業は監査やチェックを厳しくするという対策見解を述べているところがあるが、これは、監査やチェック日以外の日に具合が悪い材料は使ってしまえばよいだけで、監査やチェックでいかに見つからないようにするかという取り組みがされれば、効果はほとんど期待できないことになる。

また、このようなことは生産現場だけに発生するとは限らない。流通過程にも発生する可能性がある。もっと粗悪な材料を使っているものと流通段階で取り換えることで、取り換えた商品を日本向けの安全な食品として国内で高く売ろうという考え方をするものもありうる。そうなると、流通でこのような粗悪品と入れ替えられないような対策も必要ということになる。実際、偽物が横行している国では、本物と偽物をいかに見分けられるように対策しておくかは大切なことだ。

 このように、先ずは、考えられるリスクをすべて抽出した上で、従業員の教育を含めて具体的な対策を織り込むことが大切と言える。ちなみに、中国だからすべて信用できないということではない。徹底した教育がなされ、極めて信頼性の高い品質を確保されている企業も多い。それらの企業は、これらのリスクをいかに摘み取るか、そのために何が必要かを検討され、対策を積み上げられてきていると言える。


◆産地はブランドイメージにも大きく影響する

 ところで、各産地の国民性やその国の特質は、そのままブランドイメージに直結している。安心・安全な産地のものは、大きくその産地名が表示されるだけで、訴求ポイントになり価値を向上させている。逆に、残念なことだが、中国産の○○という表示はそれだけでブランドイメージを低下させることになっている。すべての中国産に問題がある訳ではないものの、過去からの多くの事例がこれらのイメージを作り出している。ブランド戦略として大切なことは、○○企業の□□というように、その企業であれば、中国産と言えども、きちんとしたリスクを抽出し、適切な対策を打たれており信頼できる企業というイメージが作れるようにすることだ。それをするためには、単に監査・チェック体制を強化しましたとか、弊社では管理基準を定め、これに基づいてチェックしているので安全ですというレベルの話しでは、真の対策が打てているとは言えず、逆にブランド力を低下させることにもなるということだ。国民性の違いを踏まえた対応ということも考える必要があるのではないかと思う。

文責:ジェムコ日本経営  櫻内 康章
前回までのコラムの内容も踏まえ、業務改善、効率化の基本的な考え方を整理してみます。

●ムダの70%は意識がつくっている
管理・間接業務の改善・改革アプローチでは「意識改革」が特に重要だと申し上げました(本コラム第四回)。おそらくどの企業でも叫ばれている「意識改革」ですが、実践がむずかしいのもまた、この「意識改革」でしょう。
これまで多くのコンサルティング実績、経験から、「業務のムダの70%は意識がつくっている」といえます。ということは、「意識改革をすればムダな業務は減る!」はずです。
つまり、仕事の仕方を変えよう、価値ある業務へと変えようとするなら、そもそも、いま行われている仕事の仕方やしくみは人が決めているわけですから、そこに潜むムダは、業務に関わっている人の意識次第でいかようにでもなる、というわけです。
改善、改革では「意識を変えて行動を変える」、「行動を変えて意識を変える」の両面から迫っていくことが大切です。

●ムダな業務は効率化してもムダ
前回(第五回)、「ムダな業務を効率化しても全く意味がない。ムダは廃止すべし!」と申し上げました。ムダは所詮ムダなのですからこれを効率化することほど無意味なことはありません。やめればよいのです。しかし、これが意外と難しいのは、やはり「意識改革」が出来ていないからということでしょう。

●改善・改革には順序がある
ところで、改善、改革を成功させるには、取り組む順序というのがとても重要です。一般に業務改善というと、往々にして「ともかく業務を減らそう、アウトソーシングだ、システム化だ」という方法が議論されるケースが多いものです。しかし、取り組む順序を間違えると、改善効果の発揮は期待できません。取り組む順序については最後に改めて説明します。

●HOWではなく、まずはWHYから
改善、改革に取り組むにはいろいろなアプローチ手法がありますが、どうも日本人はHOW論は得意なのですが、WHY論が苦手のようです。仮に「この仕事はどのようにやるか?」という問いにはすぐに答えられると思いますが、「この仕事をなぜやるか?」には即座に答えられるでしょうか?
例えば「報告書を作成する業務」を改善しようとすると
「OA化、システム化できないか」とか、「ペーパーレス化を図ろう」とか、どちらかというと「どうやるか」という“HOW”の思考アプローチが一般的です。
しかし、本来まずとるべきアプローチは「なぜその業務をするのか?その目的は?」という“WHY”の思考アプローチです。つまり、まず目的追求が原点で、もし目的がない、曖昧であれば、その「『報告書作成』という業務は、廃止しましょう」。というものです。目的があるのであれば、「その目的を達成するために見合った、最小のコストで行うようにしましょう」ということになります。実は、企業ではこの“WHY”の思考アプローチが弱いため、どうしても仕事が形式化し、業務がどんどん自己増殖してきてしまいました。
管理・間接業務の改善で大切なことは
・今行っている仕事に対しては ⇒「なぜその仕事を行っているか?」
・新たに行う仕事に対しては ⇒「なぜその仕事を行う必要があるか?」
というとらえ方をすることです。

■改善・改革アプローチの基本(順序)
さきほど「改善、改革には順序があります」と申し上げましたが、次の3つがポイントです(図参照)。
140821_吉井コラム_図

① 「ヤメル」、そして②「ヘラス」、そして③「ウツス」の順となります。
この順序は極めて重要です。
よく逆の順序で改革を進めてしまいがちです。例えば、「使用頻度が低い資料づくり」に対して予算、時間をかけてシステム化したり、「そもそも不要、あるいは価値の低い業務」についてお金を払って外部に委託したり、いきなり「ウツス」から行ってしまうケースです。
あくまでも改革の順序は
まず①ヤメル…ともかく目的がない、曖昧、無用な業務は廃止します。これらは減らしません。廃止です。
次に②ヘラス…量を減らします。あるいは時間を減らします。その上で、目的を果たす合理的なやり方に変えていきます。そして方法の改善やIT活用につなげます。
そして残った業務について③ウツス…移管、集約、アウトソーシング化などを検討します。
これが改善・改革アプローチの基本、取り組む際の重要な順序です。
今回ご紹介した内容はWebアカデミーで取り上げています。詳細については以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.jemco.co.jp/academy.html

文責:ジェムコ日本経営 広報室 マーケティング担当 安村亜紀

今回は、編集後記、拡大編をお届けします。実は、GWごろからダイエット作戦を開始8月21日段階で10Kg減りました。まだまだ道半ばですが、中締めということで以下にポイントを纏めてみました。140821_ファスティンググラフ_

<方法>

1.3回のファスティング(酵素ドリンクと水2-3リットルのみで3日間普通に過ごします)

2.ファスティング時以外は、低糖質・高タンパク・高ビタミンな食生活(糖質は一日50g以下を厳守)

3.運動投入(7月から加圧トレーニングとホットヨガを始める)


<最大のポイント>

ファスティング、つまり断食は、きついし絶対無理!と仰る方が多いです。私もそう思っていましたが、今回とった方法は、何も食べないわけではなく、酵素ドリンクと水2-3リットルは取るやり方ですので3日間、意外にすんなり過ごせます。それより、ファスティング後の復食と呼ばれる3日間をどう乗り切るかが大変です。でもココをきちっとしない限り、かなりリバウンドします。頑張った三日のファスティングが元の木阿弥になってはかなわない!という気持ちで乗り切りました!復食期間は、基本的に玄米粥やテンペ粥に大根おろしやうめぼし、ジャコといったものを入れて食べ、ランチは果物のみ。これをきちっと2-3日することが最も重要で苦労する点です。コレが面倒くさくて酵素ドリンクと水で過ごしていた方が楽ー!!と何度心のなかで叫んだことでしょう。

飲み会やら、出張やらいろんな予定に恵まれている私にとって、ファスティングで最も大変なのはスケジューリングです。いつから3日断食して、3日復食して、という計画立案が肝になります。何より飲み会や食事の誘いを断るのが一番難しい!(笑)


<穀物大好きとの戦い>

ご飯と麺が大好物な私にとって、低糖質生活はスタート当時、本当に辛かったのですが、2か月もすれば慣れます。

全く抜くのではなく、●.夜は食べない、●.どうしても食べたいときは1日1回、一杯は食べる ●マンナンライスを混ぜたご飯を用意しておく

等で運用しています。基本的に、炭水化物は極力食べない生活は一生続けていく必要がありそうです。慣れですね。


<小腹がすいたら、おにぎりはNG!>

小腹がすいたら、おにぎりを食べる生活を30年以上続けた結果、この体重この体型。小腹がすいたら食べるものには気をつけています。

●甘いもの系:SOYJOYや、森永製菓のマクロビ派、欧米から輸入したグラノラバー

●しょっぱいのの系:チーズ、くるみ、アーモンド、チクワ、カニカマ、7のサラダチキン

*飲み物を買い忘れた状態でサラダチキンを新幹線で食べてたらポソポソしてのどに詰まって窒息しそうに・・・(涙;)しょっぱいもの系のムシ抑えには、お茶か水を必ず携帯しましょう。

<お酒のチョイス>

・焼酎、ウイスキー優先。

・ワインは白より赤

・日本酒NGだけど耐えられないので一合まで(コレが辛い!)

・ビールNG(ビール嫌いだから問題なし!)

<食べ物のチョイス>

・肉はガンガン食べてよし!with野菜
・基本的には、まごわやさしい コンプリートを目指す (ま=豆、ご=ゴマ、わ=海藻類、や=野菜、し=きのこ、い=いも)

<指導者の存在>
栄養士でファスティングマイスター・プロフェッショナルの先生の叱咤激励が、私のダイエットを強力にサポートしてくれました。

短期にかなりの減量ができるというライザップさんの方法に非常に似ているように思います。
 

<効果>

・10Kg減って身体が軽くなり動きが軽快に!

・健康診断の結果が、ALL白!問題箇所ゼロに!

(去年は、血圧、血糖値、コレステロール、中性脂肪等々、アウト項目だらけでした・・・)

・舌や鼻が敏感になり、食材本来の味を味わえるようになった

・3年前の服が入るようになった

・何故かお酒がさらに強くなった。

・毛穴が縮まった(実はこれが一番うれしい!)
 

道半ばですが、このライフスタイルはしばらく続けたいと思います。まだ今は、成人病まっしぐらの不健康体型から、成人病予備軍になった程度であります。ですので、引き続き、ファスティングと低糖質生活を楽しみたいと思っています!実は、勢いで10月に10Kmマラソンを申し込んでしまったので、今はそれが一番の心配の種です・・・不健康生活を続けてきた私が、10Km走りきれるのでしょうか?前途多難です。

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

前回までは、海外でよく発生する不正に対する対策例を述べた。今回は、盗難問題について述べることにする。
新興国であれば、どの国でもよく発生する問題の一つである。あまり喜ばしいことではないが、盗難は民度も低いのでやむをえないと言っていたのでは経営にはならないので、しっかりと盗難対策をすることは大切だ。とりわけ、日本から初めて新興国に赴任する出向者は、盗難に対して意識が薄いことが多い。赴任前に、これらの実態についてはしっかりと理解して赴任してほしい。 

 

◆先ずは教育

 先ずは、従業員への教育は基本事項と言える。盗みが発覚すれば当然、懲戒処分になるといったことを含めて、盗難するということがいかによくないことかは採用時と共に、定期的にも教育しておきたい。また、各職場の責任者に対して、盗難されないように管理するのは責任者の仕事だということも教育しておくことが大切である。すなわち、鍵をかけて保管しないといけないものは何か、その管理のルールはどうしなければならないかといった、管理の基本を徹底するということだ。

◆5Sの徹底が基本

 実は、5Sが徹底できているところは、盗難が少ない。中でも、整頓の基本となる3定(定位置・定品・定量)と表示・標識が徹底されていると、すぐに無いということがわかるからだ。すなわち、どこに(定位置)、何を(定品)、いくつ(定量)が一目でわかるようになっていれば、即座に無いことがわかると共に、それを管理する管理責任者の写真と名前を掲示しておくことで、ものが無くなったら、誰の責任かが明確になることで、資産の管理責任者としての意識も芽生えることになるからだ。

逆に5Sができていない職場では、何がいくつあるかも一目でわからないことから盗難にあってもわからず、盗み放題の職場ということになる。5Sは単に生産性や品質、また、安全ということだけではなく、資産管理の基本であり、盗難できない環境を作るということでも極めて大切なのだ。
 

◆休日対策は大切

ところで、盗まれるのは、通常の操業時ではなく、休日が多い。特に、設備や建物等のメンテナンス等で外部業者が入る際は、十分な注意が必要だ。入門時に指定場所以外には入らないように責任者に指示すると共に、立ち会い者をつけることも大切だ。また、盗難で多いものとしては、検査機や測定器具、パソコン等、小さいが高額なものが狙われやすい。売却すれば良い価格がつくからである。これらのものについては、日頃から作業終了後には鍵のかかるロッカー等に収納する等、管理方法を決めて盗まれることがないような対策が必要である。


◆監視カメラ等の設置

 常時、従業員を監視するということは、従業員を信頼していないということになるので、監視カメラの設置には抵抗感があるということもあるが、国によっては、盗難対策として、監視カメラの設置が必要なケースは多い。実際、監視カメラの設置には費用がかかるが、これによる抑止効果が大きいのは事実である。


新興国の場合、国にもよるが、始めから盗難はあるもののという前提で、対策をするということも必要ということだ。実際、入出門時のチェックだけでは盗難が見つけられないことが大半で、それぞれの国の実態に即して対策を変えることも必要と言える。



文責:ジェムコ日本経営  櫻内 康章

前回、管理・間接業務の改善・改革に取り組むアプローチとして特に重要な「意識改革」を取り上げましたが、今回はもう一つのポイントである「現状否定」について取り上げます。
変化・改革が求められている時代です。平常時であれば、これまでの制度や規程、慣習、やり方、しくみなどが効率的であったわけですが、いわば非常時ですから、それらが阻害要因になる場合が多々あります。ですから、改善・改革では過去の成功体験や延長線上で考えるのではなく、これらを一旦捨ててゼロにリセットする、現状否定の発想、意識が非常に重要となってくるわけです。

■“やめてしまえ”発想
現状否定、強制思考の大きな特徴のひとつに“やめてしまえ”発想があります。
“やめてしまえ”。
いかがですか?非常にインパクトのある言葉ですね。目的思考、現状否定、強制思考、過去との絶縁による“やめてしまえ”の発想の意味するところは、無用・低価値・重複業務といったムダな業務は、減らすとか効率化するというのではなく、ともかくやめる、廃止するという強制思考です。ムダな業務はいくら効率化してもムダなのです。
あくまでも“やめてしまえ”であって、現状否定の思考です。業務をやめるということは、書類の作成、伝達、保管など業務処理の一切がなくなり、事務コストが“ゼロ”になることを意味します。しかしながら、ひと口に“やめてしまえ”といっても、そこに何らかのよりどころがなければ改善に取り組みにくいものです。そこで、次のような6つの視点を設けています。

“やめてしまえ”発想を促す6つの視点
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それでは順にみていきましょう。

①その業務は無目的ではないか
「その業務の目的は何か」と改めて問い直されると、目的そのものが見当たらないか、あってもはなはだ曖昧な場合があります。ともかく、まず「目的は何か?目的は本当にあるのか?」で、業務をとらえていくことが大切です。

②その業務は目的を誤っていないか
よく“分析倒れ”という言葉を聞きます。例えば、分析資料で「現状はこうなっています…」ということのみを明らかにして終わっている業務があります。「現状を調べる」のが目的と思っているのではないでしょうか。これは、明らかに目的を誤っている業務といえます。本来の目的は、例えば仮説を検証するために分析し、分析結果に基づいて何をどうすべきか、あるいは原因を明らかにして対策を講じる、などのはずです。

③当初は目的があったが今はどうか
初めのうちは確かに目的があったのですが、今はもう目的を果たしてしまっているにもかかわらず、業務だけが依然として残っている場合があります。例えば、「○○定例会議」などがよい例です。当初は問題が多く、関係部門が集まって協議して解決にあたらなくてはならなかったのですが、今では問題もかなり解決されており、経験も豊かになったので、協議して問題を解決する必要ははるかに少なくなりました。しかし、その会議は当初と同じように繰り返されているケースなどです。

④同じ目的ではないか
異なった部門で、「同じ目的」のために似たような行為・行動をしている業務がしばしば見られます。これらの多くは重複していることが多いものです。責任をもつべき部署を決め、他の部署はやらなくて済むよう協議して、 “やめてしまえ”に踏み切ることです。

⑤目的は異なるが似たようなことをしていないか
先ほどの④とは反対に、目的はそれぞれ別々にありますが、行為・行動がよく似ている場合は、行為・行動を一つに絞って他はやめてしまおうと考えてみましょう。目的はそれぞれ別々でも行動が類似している場合は、例えば一人で複数の目的を集約して行うことで、行動の重複を省いていきます。

⑥今までの習慣の延長ではないか
改めて業務の目的を考えることなく、従来からの仕事のやり方だけをそのまま踏襲しているような業務には、「過剰」「重複」「無用」が含まれていることが実に多いものです。例えば、各種の業務依頼書、通知書、通達書、伺い書、およびその他の資料…。これらは企業の「決まり」「手続き」ということで、改めて目的を考えることもなく、何となく習慣でそのまま続けられている業務が意外に多くあるものです。

まずこのような視点での「やめてしまえ発想」を第一歩として、現状否定に取り組んでみてはいかがでしょうか。

今回ご紹介した内容はWebアカデミーで取り上げています。詳細については以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.jemco.co.jp/academy.html

文責:ジェムコ日本経営  櫻内 康章

本コラムの前回と前々回、「管理・間接業務における改革の進みにくさには理由、要因」として「管理・間接業務で多く見られる『仕事をする人の習性』」について紹介しました。今回は、管理・間接業務の改善・改革に取り組むアプローチ方法について取り上げてみます。

管理・間接業務の改善・改革にはさまざまな角度からのアプローチがありますが、特に重要なこととして、まず「意識改革」が挙げられます。
それは、自らが気づき、認識しない限り、行動を変えることはできないからです。コスト意識、目的意識、価値志向等などの変革に取り組んでいこう、となるわけですが、その際、大きく次の二つがポイントです。

まず一つは、物事を「機能」でとらえるようにすることです。これは、ものをものとして見るのではなく、機能でとらえるものの見方、考え方をしましょう、ということです。
業務の改善・改革に取り組むには、業務というカタチではなく、業務を機能としてとらえないと、その業務の本質は見えてきません。まず、業務の目的、働きを明らかにすることが必要です。
本来、業務には付加価値が求められます。利益に貢献する、つまり究極的には儲けにつながることが求められていることを、私たちは知らなければなりません。

もう一つは「現状否定」の発想を持つ、ということです。
今日、管理・間接業務も高度化しています。当然、いろいろな問題、課題の解決は図られていますが、どちらかというと対症療法的な対応が多く、問題の本質をとらえての解決にはなっていない、というのも実情のようです。
変化・改革が求められている時代にあっては、従来のやり方、しくみ、制度などは、もはや通用しません。むしろ阻害要因になりかねません。ですから、これらを一旦捨てて、ゼロにリセットする必要があるのです。
つまり、現状否定から入ることが重要となるのです。

では、一つ目の「『機能』で見る、とらえる」ということについて考えてみましょう。

●私たちは仕事をして給料をもらっているのではない!
これはいったい、どういうことでしょうか?
では、何に対して報酬(給料)が支払われているのでしょうか?
それを明らかにするには、原点に返って考えてみる必要があります。そもそも何のために仕事をしているのでしょう。その目的は何でしょう。
いま行っている業務の本質は何でしょうか?

業務の本質を明らかにするには、先ほど述べた「意識改革」が不可欠となります。そのために「ものの見方・考え方、発想を変える」のですが、そもそも、業務の本質とはどういうことでしょうか?
極論しますと「業務そのもの自体は無価値」ともいえるのです。では、本当の価値とは、どういうことでしょうか?

私たちが給料をもらう対象は、仕事というカタチではなく、その仕事、業務が果たす機能であり、そこから得られる効用や満足、発揮される価値といったことに対してです。それらに対して給料をもらっているわけです。

業務の機能とは、その業務や業務システムの果たす使命・存在意義・役割をいいます。使命や存在意義はいわゆる「目的」であり、役割は「働き」を意味します。
機能とは、「目的」と「働き」の双方をいいます。
・目的:目指すところの事象を果たすための、その存在理由 をいい、
・働き:その目的を果たすための手段の抽象化・特有の性質 をいいます。


ですから、「何に対して給料をもらえているのか?」を考えることは、つまり、仕事、業務を「機能」でとらえることで、業務の本質を明らかにすることです。
従って、業務改善、改革に取り組むには、業務を「機能」でとらえることが不可欠となるわけです。

このように考えてみると、例えば時間をかけてどんなに立派な資料、報告書を作っても、目的がない、機能を果たしていないのであれば、極論すればその業務の価値はゼロであり、業務改善においては、ヤメル対象の業務であると理解すべきでしょう。

意識改革について、もう一つの「現状否定」の必要性、重要性については、次回紹介します。

今回ご紹介した内容はWebアカデミーで取り上げています。詳細については以下のサイトでご覧いただけます。
http://www.jemco.co.jp/academy.html

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

 前回は、海外でよく発生する不正の背景と、どんな不正が発生しているか、具体的な事例を紹介した。今回は、これら不正に対する対策例を述べることにする。
 

◆不正防止対策

 先ず、不正の防止対策としては、その国の実情にあわせ、内部統制の仕組みをどう作るかが大切ということになる。すなわち、お金が関係する取引すべてで不正が発生する可能性があるので、お金に関係する取引すべてにチェック機能が働くようにしておくことが基本となる。

◆基本は、担当部門とチェック部門を分けて責任を持たせること

 例えば、発注依頼者と、発注担当者、検収の担当者が同じだったらどういうことになるだろうか。好きに発注して懐に入れても全く誰も気付かないということになる。前回の不正事例の中に示した手袋の例であれば、手袋を発注する担当と、検収する担当が同じだったので、数量等のごまかしはいくらでもできたということだ。

すなわち、先ず、担当部門(発注部門)とチェック部門(検収部門)を分け、チェック部門は不正を見逃さないということが職務と明示することが大切だ。実際に不正が発生するのは、このように、一人ですべてを扱えるようになっている場合であり、このような不正を防止するためには、担当部門とチェック部門を分けて、それぞれに責任を持たせることが大切ということだ。

 お金を扱う仕事すべてを対象に、買う場合だけではなく、売る場合についても、すべてチェック機能が働くようにしておく必要がある。また、重要事項は、トップの決裁が必要ということにしておくことも大切だ。


◆複数見積もり、二社購買

 取引先に親戚や親しい人がいる場合は、不正が発生しやすい。数量面での不正や架空発注は発注部門と、検収部門を分けることで防止できるが、見積もり単価そのものを上積みしたりされるとわからないケースもある。これを防止するには、基本は複数見積もりや二社購買が望ましいということになる。しかし、二社購買は発注量という点で、難しいケースも多いので、最低でも複数見積もりさせることは是非推進したい。但し、複数見積もりしても不正があるケースも多い。すなわち、うその見積もりを作成して複数見積もりしたと報告してくるケースである。この場合は、別の部門(例えば経理部門)に、それぞれの見積もり先に確認をとらせるということで、それらの見積もりが正しいものかのチェックをするということも必要だ。


◆仕組みにする

 いずれにしても、疑えばキリがないということになり、それらを気にしていると不信感ばかりが募ることになりかねない。それを防ぐには、これらを仕組みとして整備しておくことが大切だ。日常の仕事として、必ず、担当部門以外にチェック部門がチェックするのが当たり前というような仕組みができれば、自ずと不正ができなくなり、不信感もなくなる。

 新興国ほど、このような不正は多いが、進出時点では、このような仕組みが構築できておらず、問題が発覚してから、仕組みを作っているケースが散見される。日本の常識で考えるのではなく、不正はあるものという前提で、それを予防する手を事前に仕組みにしておき、進出時から運用するということが大切なのだ。そうすることで、貴重な人材を失うことも防ぐことができる。

◆通報制度の導入

 もうひとつの不正防止策として、不正を見つけたら、通報させるという制度を導入するのも方法である。これらの導入は、国にもよるが不正に対する牽制機能として有効と言える。また、それら通報に対し、確認する体制も作っておく必要がある。

次回は、盗難対策について述べることにする。 




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