【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

成長戦略 | 技術伝承 | グローバル | 改善改革 | コストダウン | 等 プロジェクト現場から最新情報やお役立ち情報をお届けします。

2013年09月

文責:ジェムコ日本経営 広報室 マーケティング担当 安村亜紀
 

◆ランキング

第一位!:自社にないノウハウの提供

第二位!:第三者視点ならではの改善改革

第三位!:他社事例、市場等の情報提供

第四位!:社員の意識改革

第五位!:決断・判断・判断基準の提供

第六位!:課題の真因の顕在化

第七位!:改善改革の起爆剤

第八位!:コスト削減、リードタイム短縮等、数値効果創出

第九位!:次世代リーダーの育成

第十位!:社内で不足する工数の補完

第十一位!:技術ノウハウの伝承

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◆オーバービュー

本調査結果は、成長戦略セミナーに参加いただいた方々に自社の課題を答えてもらった結果である。この調査で明確になった点は、コンサルタントならではのノウハウに期待しているという点にある。自由回答欄をみていくと「自社では遅々として進まない経営課題を解決するプロジェクトの進め方やポイントとなるテンプレート等に期待している。」という回答が多くみられた。また、第三者ならではの改革、社員の意識改革、判断基準の提供等、ヒトを動かす役割への期待がかなり大きいことが分かる。我々の想像以上の期待値である。コスト削減やリードタイム削減といった数値効果への期待は相当数の回答があるものの、プロジェクトを動かし、ヒトが育つことで実現するという認識が強いことがわかった。「うちの会社はコンサルタントを上手く使えなくて…」という話をよく聞く。我々の立場からするとかなり逆説的になるが、まず解決すべき課題に対して、コンサルタントの活用が適切かどうか、検討する必要があると思う。課題解決の選択肢には、「社内で解決する」「人材を採用する」「業務委託する」などがあり、相互に検討することになるだろう。コンサルタントを活用するメリットを享受するためには、以下のような条件が満たされているのが望ましいと感じている。(以下、コンサルタント=コンサルと表記)

 -1.社内では解決が難しい

 -2.必要な人材の採用や育成が困難

 -3.非定型的な業務でクリエイティビティが要求される

 -4.外部専門家の客観的な見識やアドバイスが必要

 -5.緊急または時間的な制約がある

費用対効果は一番気になる点だが、正しくコンサルを選べば、社内で多大な時間と労力を掛けるよりも、かえって廉価でスピーディに効果を上げるケースが多い。内部コストは意外と高くつくものである。あるプロジェクトを率いた某メーカーの役員がこう仰った。「自社だけでこのプロジェクトを実行したら10年かかった。JEMCOに入ってもらったら1年で完成した。」この例が物語る様、プロジェクト推進のスピード(早く)、改善改革ができる人材育成、客観性、といったポイントを前提にコンサル活用を行い、勝ち組になれた企業は沢山ある。例えば、企業や事業の成長過程において、コンサルが必要なタイミングがある。一方、コンサルを上手く使えない、という事は、すなわち、社内の似たような改革型人材を活用出来ていない証拠でもある。過去の延長線上で事業を考えるだけでいくと5年は安泰でも、10年先、20年先は、事業存続そのものが危険な時代になってきた。そういう意味で、依頼事項を全て丸投げし、依頼者が高みの見物を決め込むパターンも上手くいかない。また、やらされ感も良くない。現場の人達が関与する中で決められた「主体性」「わが事意識」が必ず必要だ。現場の納得感が薄いまま改革を進めていくと、仕上がった改革の姿や業務プロセスが次第に形骸化し、プロジェクトは着地しないし、第一成果に繋がらない。そうならないためにも、コンサルを使う目的を「時間」「人材育成」「客観性」に絞って考えてみることをオススメしたい。


◆調査要綱

1.調査期間:20132月~5

2.調査対象:2013/2/262013/5/25 に実施した成長戦略セミナーのうち、アンケートを提出いただいた方301名の方

3.調査方法:セミナー時アンケート

◆調査結果補足説明

1.回答者の8割は製造業(57%:組み立て製造業、22%:プロセス/食品等の製造業)

2.8割は、年商500億円以上の大手企業

3.成長戦略セミナーというテーマであったため、回答者の多くが、経営戦略立案、新規事業新サービス開発の項目を課題として挙げている。

以上

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文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

前回は、日本の生産方式をそのまま海外に持ち込んで、生産できない事態に陥った事例を紹介した。今回は、そのような事態を招かないようにするには、どんな検討が必要かを述べることにする。前回ご紹介したタイ拠点でワンマンセル生産を導入して生産ができなくなった原因は、人の入れ替わりの多さという、日本とタイとでの生産条件の違いが原因であった。この事例からもわかるように、生産条件の違いを適切に把握し、それに対応した「ものづくり」にしないと、うまく生産はできないということだ。

 

変化点管理と同じ
日頃の生産を振り返ってみていただきたい。どの生産現場でも、変化点管理ボードがあり、「本日の変化点」については、生産前に確認しているはずである。生産の4Mの中の何かが変われば、不良の原因になる。従って、変化点を明確にし、それに対し、適切な事前の対策管理をしているはずだ。例えば、「人が変わる」ということであれば、作業手順が理解できているか、作業ポイントが理解できているか、正しい作業が標準時間内でできるか、作業した結果はどうか等を確認するはずだ。


日本と海外とでの生産条件の違いを明確にすることが検討のスタート
海外で生産する場合も、これと同じ検討がされていなければならないということ。すなわち、日本と海外拠点とで、生産条件として何が違うか「変化点」を明確にし、それを踏まえて、どんなリスクが想定されるかを出し、それに対応した生産システムを検討するということだ。変化点があるのに、それを無視して適切な対策を行なわなければ、当然、まともに生産することはできないからだ。

ジェムコでは、多くの企業の海外進出のご支援をしているが、海外での生産システムを検討する際には、先ず、日本と進出先とで、生産条件の違いをすべて抽出した上で、その違いから生産に支障を及ぼすと考えられるリスクを整理し、そこから、それらリスクに対応した生産システムを検討してもらうことにしている。また、進出エリアの検討でも、同様にエリア毎の違いを明確にして検討する。

それでは、日本と海外拠点とで、生産条件として、どんなことが違うだろうか。

例えば、人という点での違いの例をあげると、人の確保のしやすさ、人の入れ替わりの激しさ、識字率や学習レベルの違い、人件費の違い、宗教の違い、階級制度の有無・・・といったことがあげられる。実際、次の進出先として注目されている新興国では、識字率が低いところも多い。また、割り算ができなくて、能率や稼働率といった管理すべき数値が計算できないという事例もある。

同様に、生産する上での環境や条件の違いという点では、メンテナンス体制や、電力事情(含む電圧変動)、水の確保のしやすさ、水質状況や水質規制、温度や湿度、虫などの多さ、物流状況(道路事情)、廃棄物処理基準、地盤沈下の有無、水害の有無等が相違点としてあげられる。実際、道路事情が悪く、悪路が多いところでは、製品の箱が壊れたり、梱包形態が悪い場合は部材や製品の不良が発生するということもある。

このように、各国、各地域で、生産するにあたっての条件は違うということだ。これがわからないまま、また、この違いに対策しないままで、日本と同じ生産方式を導入したのでは生産がうまくできないばかりか、その国の環境基準違反ということさえおこしかねない。

次回は、これら生産条件の違いへの対策について解説したい。

★関連書籍: http://www.amazon.co.jp/dp/4822276082

第一回 次世代モビリティ時代に生き残りをかける部品メーカーの成長戦略 
文責:ジェムコ日本経営 事業開発支援センター 次世代モビリティ産業チーム

このコラムでは、「競争ルールの変化にともなうチャンスを獲得するために、部品メーカーが何に取り組むべきか」、我々の考えを紹介したいと思う。

 ◆過去の延長線上に未来はない

2008年のリーマンショックから回復してきた矢先に、2011年の東北とタイの2度の自然災害により自動車産業の全世界を横断するサプライチェーンの繋がりの深さと脆弱さを改めて認識させられた。また、欧州の信用収縮の連鎖、米国の債権に過度に依存した財政の破綻懸念の結果、購買力の低下、円高が全世界同時に押し寄せた。さらに、TPPに対する日本の政策が予断を許さぬ中、企業1社の努力範囲をはるかに超えたリスク要因や不確実性が企業経営に大きな影響を与えることをこれほど痛切に感じた年はなかったかも知れない。我々は、サプライチェーンの再構築と生産拠点の新興国シフトだけでは乗り切れない大きな潮流にあることも確かに感じ始めている。小説『坂の上の雲」の様に、前のみを見ていたかつての日本人の行動様式は、今や新興国に引き継がれ、日米のメーカーは正に凋落まじかなバルチック艦隊と受け止められているようである。そんな彼らと現地生産でコストや品質で闘おうとしているのである。「これまでの延長線上にビジネスはない」かもしれないとの認識で、新たな取組みが求めれている。このような市場環境の中、われわれは、自動車産業のみならず、異業種としての電子・機械・素材・ITメーカーのコンサルティング活動を通して、異業種連携によるクルマの新しい価値創出こそが我々の取り得る戦略として考えるに至った。 
◆技術の変化→顧客の変化→土俵の変化

モノづくり日本では、技術の変化のみ着目されているが、米国では競争の軸を転換して土俵を換えようと企み、欧州ではアーキテクチャをおさえて競争を優位に展開しようとする傾向がある。日本はオセロゲームで勝つための布石であるコーナーを抑えることに集中するより、一つずつのピースをひっくり返すことに終始していることが多い。競争の原動力が看板生産方式に代表される「生産技術」から、電池や素材、燃費向上の触媒やモーターといった「技術開発」さらには、顧客価値指向の「マーケティング」にシフトしつつある。新興国で勃興するメーカーに対抗するためには、コストや品質も重要だが、加えてクルマ自体の価値をあげる(即ち売れるクルマ)ためには、顧客への新たな提供価値を創出するしかないとの結論を得る。130909_メルマガ_04_成長戦略_v2


 

文責:ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 五省太郎

【注記】*「五省」については、末尾に解説があります。
守秘義務の関係もあるため、このコラム内容は、かなり一般的な話題に置き換え架空のものに編集しております。起こっている事象はよくある内容でありますが、内容の詳細については、ノンフィクションの読み物であります。予め、ご了承下さい

第一回 ロジスティック現場のコスト意識に唖然!?

3ヶ月前から、消費財メーカー向け「サプライチェーン中期計画」策定の支援をして、取組課題毎に実行分科会を立ち上げ、今日は「資材・消耗品の削減」のチーム初会合である。この会社は、全国に工場および物流センターを要する。長年各所に資材や消耗品の購入を任せていたため、同じ段ボールにしても購入先・購入単価がバラバラ。単純にヨコ比較しただけでも単価ロスが大量に見つかる。その他パレットの購入や回収率等々、全てにおいて各工場、各物流センターが独自に行っている。全くもって合理的な「買い方・使い方」になっていない残念なパターンである。そこで、対象購入品を絞り、購入先・購入種類・購入単価・購入量・支払実績の調査を依頼。同時に、改善アプローチの仮説としていくつかの視点と着眼点を提供。次回は調査結果の内容について考察をし、改善アプローチを整理した上でコスト削減の余地(ポテンシャル)を試算する。

* * * * * * * *

ハイテク機器メーカーの物流子会社を訪問・視察。効率的な出荷物流をするための情報収集であったが、総じてコスト意識が希薄で、いささか驚いた。しかし、逆に改善余地が大きく個人的にはストーリーが見えてきた。あとは、実行するための準備として、社内の利害調整と動機付けを考えていく。いろいろとアイディアが浮かぶ。

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某化学メーカーで、物流関連資材コストに関するワーキング会合をしてきた。廃棄物が有価物として売却できることに着目。また、元請会社との契約内容を確認すると、先方義務事項が守られていないことが判明した。がしかし、メンバー自体の自覚はあまりないのに「唖然」とした。ただ、このような事態は総じてどこの会社でも散見される。物流機能として極めて重要な契約内容を詳細に把握できていないケースの何と多いことか!

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某素材メーカーの物流センターへ。プロジェクトリーダーと現場視察、物流の中核センターと営業所に訪問。やっぱり、現場に行けば新しい改善の視点やネタがあると感じた。現場の人たちは日常や常識に縛られているため、意外と、ロスに気がついていないようである。
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*五省とは・・・

一、至誠(しせい)に悖(もと)る勿(な)かりしか(真心に反する点はなかったか)

一、言行に恥ずる勿かりしか(言行不一致な点はなかったか)

一、気力に缺(か)くる勿かりしか(精神力は十分であったか)

一、努力に憾(うら)み勿かりしか(十分に努力したか)

一、不精に亘(わた)る勿かりしか(最後まで十分に取組んだか)

昭和7年 海軍兵学校校長の松下元(まつしたはじめ)少将の発案。毎日の自習終了5分前に瞑想し、その日の自分の行動を省み、深く自己を見つめ、自省自戒したといわれている。つまり、他部門や他人のせい(他責)にしてはならないということ。コンサルタントの基本心得であり、「立派な人間」としての基本的な資質でもある。

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