【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

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2014年12月

文責:ジェムコ日本経営 執行役員 ニュービジネス開発事業部 事業部長 財田 和典

昨今、経営コンサルティングとは別に、技術コンサルティングに関するお問い合わせ、その対応が急激に増えています。

このところ日本の製造業が強さを取り戻そうという動きの中、新興国をはじめとするグローバルでの競争優位を確保する上で、改めて技能・技術の伝承、技術者の育成といった取り組みに各社様が注力されていることを受け、“ものづくりに関わる技術”周りのご相談が弊社にも多く寄せられています。

そこで、弊社では数年前から「技術の神様」(技術コンサルティング)事業を展開し、これらのご要望にお応えしております。
★ 「技術の神様」詳細

◆技術の神様技術の神様-2

 2010年の秋、ある産業振興財団の理事長様が「我が国におけるものづくりの危惧」という講演で次のようなことを話されていました。

― いわゆる2007年問題で、「団塊の世代」が大量に定年退職し、とりわけ技術やノウハウの継承のリスクを大いに危惧されておられました。

定年を迎えた、あるいは定年間近のベテランの技術者・技能者の処遇対応との兼ね合いもあり、今日、貴重な技術、技能が不本意な形で新興国企業へ流出してしまった、という困った事態も生まれています。

優れた技術を有する企業には、必ず技術の核となる人材がいます。それを「技術の神様」と呼びます。

「技術の神様」は日本にいてこそ、「日本の技術の守り神」です!!― と。

このこともきっかけとして、当社も「技術コンサルティング」サービスを本格的にスタートさせました。まさに、日本のものづくりを支える「技術の神様」事業です。以来、おかげさまで、ご活用いただく企業様およびご相談頂く案件(分野・領域の拡大)もどんどん増えています。


◆技術の神様導入企業の声

 「技術の神様」を導入いただいた一例として、お客様から次のような声をいただきました。
技術の神様-1
 【機械メーカー様の例】

―当社は鋳物メーカーではないので鋳物の技術者がいない。しかし鋳物は機械の根本の技術であり、これまで外注先の鋳物メーカーに依存していたので技術的に弱かった。 今回ジェムコの指導を受け、技術の肝の部分の改善ができた。仕掛仕損費も1/5になった。 技術も我々の中に残っていく。技術資料としてまとめられたものが財産になる。 普通の教科書では得られない知見(実際に見て得た知識)が得られた。
 

技術コンサルタントには鋳物メーカーの現場に足を運んでもらい、鋳物ベンダーの評価をしてもらった。毎回、レポートも残してくれる。 これまでは当社の担当が鋳物メーカーの方から教えてもらっていたぐらいで、とてもベンダーの指導はできなかった。 

今回の技術コンサルタント、まさに“鋳物の神様”に鋳物の知識を教わった。 


一方、経営コンサルタントには、前回「コスト競争力強化」の指導を受けた。設計段階から機会損失を発見し、コスト改善する活動で、おかげさまで40%近くのコスト低減の実成果が出た。 

経営コンサルタントは、当社の機械(製品)そのものの知識は無いが、独自の原価低減手法、他の業界での手法など、我々にない原価低減のやり方をご存知だった。


「何故、その活動が自分たちでできないのか」という社内の人間もいたが、我々は経験がないのでできない。何故、自分たちでできないのか…。

それは、自分自身で自己否定はできないからだ。経営コンサルタントは、いわば触媒だ。自分自身が変化するより、他を変化させる触媒である。


一方、技術コンサルタントは、自分自身が化学反応をしてもらえた。

例えるなら、魚の釣り方を教えるのが経営コンサルタント。魚そのものを釣るのが技術コンサルタントでしょうか…。


ジェムコに経営コンサルティングと技術コンサルティングの両面で経営課題解決の支援をしてもらえることは、当社の事業展開において非常に役立っています。―


おかげさまで「技術の神様」のご相談案件がますます増えております。
【本サービスに関するお問い合わせ】jemco-frontierアットjemco.co.jp (アットを@に変えてお送りください)

文責:ジェムコ日本経営 取締役 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

今回は、海外でよくある問題の一つである知財問題について取り上げることにする。とりわけ、中国はじめ新興国と言われる国では、模造品問題は後を絶たない。本物との区別がすぐにつきにくい模造品が出れば、模造品に市場を奪われると共に価格が低下、さらには、粗悪品であればブランドイメージを大きく傷つけ、自社のビジネスに大打撃を与えることにつながる。また、知財問題の中には、意匠権や商標権で苦労する例もある。どの企業も対策に苦慮しているというのが現状ではあるが、日頃からこれらを意識した対策がとられているかは重要なことと言える。

 

◆模造品はなぜできるのか

 模造品はなぜできるのか?この根本原因を理解しておかないと対策は難しい。現物を見て真似たデザインにするということはよくあることであるが、基幹となる部分が模造されている場合は、図面や仕様書等が流出しているケースが多い。さらに、製造ノウハウが無いと製造が難しいという物もあるが、このような物が出てきた場合は、製造ノウハウが流出したと疑う必要がある。

 それでは、どこからこれらの図面やノウハウが流出するか?

 先ず、進出と同時に模造品が出たという場合は、進出にあたっての準備段階で、図面等が渡っているケースである。商談をする際に、サンプルを渡したり、または、サプライヤーを探すにあたり図面を渡したりしている場合だ。逆見本市は、新たなサプライヤーを探すには有効な方法だが、その際に、「自社でできる部品ばかりなので、見積もりを出す上で主要部品の図面を提供して欲しい」と言われ、渡してしまったというようなケースである。すなわち、安易に図面やサンプルを渡すということは要注意ということだ。また、製造ノウハウを伴う生産品の模造品が出たという場合は、従業員がこれらノウハウを持ち出しているケースが多い。すなわち、これらのノウハウを持ち出し、退職と共に、自ら、これを使って同じ物を作るというケースである。日本に研修に行かせ、または、日本からの支援者からノウハウを学ばせ、中核にと思って育てた人材がやめてしまい、自社の生産に問題が発生してしまったというだけでなく、ノウハウが流出して同じ物が他から販売されてしまうというケースだ。

これ以外には、サプライヤーを通じて図面が流出したり、金型を修理に出したことからノウハウが流出したりと、図面やノウハウの流出原因は多岐に渡る。


◆模造品対策
 -真似されない構造・工法等の採用

先ず、このような点から、模造品が出ないように対策するためには、一つには、真似をしようにも簡単には真似ができない構造や工法を入れておくということである。実は、筆者が、海外会社の経営責任者をしていた時、輸出国で模造品が出回ることを防ぐために、他社には簡単にまねができない工法を織り込んで新製品を発売したことがある。しばらくすると、その工法を織り込んだキーとなるパーツをそのまま売ってほしいという注文が、輸出国にあるメーカーからきた。流石に呆れたのだが、多分、他の部品は実物を見て模造できたのであろうが、この部分だけは、どうやってもできなかったため注文してきたのであろう。併せて、堂々とキーとなるパーツを注文してくるということ自体、模造品を出すことへの罪悪感が欠如した国民性であることに驚いた事例でもあった。いずれにしても、模造を困難にするための対策をするということが大切と言える。

◆ノウハウの流出対策

 併せて、ノウハウの流出対策である。冒頭述べたように、本物と同様に機能する模造品の場合は、図面や仕様書等が流出しているケースが多い。もしくは、製造ノウハウ等が流出しているケースだ。これは、機密情報漏洩対策を、その国の事情に合わせて、どれだけ構築できているかにかかる。転職が多い国であれば、その企業で得たノウハウを次の転職先で活用できると売り込んで、より高待遇で条件の良いところに転職しようとするのが常道だ。キーマンが退職したら、しばらくすると同じものが他社から発売されたということはよくある。すなわち、従業員とは、秘密保持契約や競業避止義務契約等を結んでおくことが大切ということだ。どれだけ守られるかは別としても、退職したいと言ってきた時には、この契約内容について再度説明して徹底することが基本と言える。これにより、退職そのものを阻止できることもある。

 その前に、ノウハウの流出を防止するためには、先ずは、機密保持が必要な情報やノウハウは何かを整理することから始める必要がある。これを明確にした上で、機密情報の管理をどのように行なうかを決めていく。書類であれば保管する場所を決め、施錠すると共に、鍵の管理者や管理方法、情報を見るルール、コピー等がとれない仕組み等が有効だ。また、電子媒体であれば保管するサーバーやその情報へのアクセス権限、パスワードの管理やコピー防止の方法等を確立する必要がある。さらに、機密情報は文書やデータだけではない。サンプルや配合見本はじめ「物」ということもある。また、製造工程や工法、計器が示す値等も大切な機密情報というケースは多い。実際、温度や濃度をはじめとした管理すべき事項は製造ノウハウそのものだからだ。

 先ずは、これら機密情報は何か、また、機密の重要度によって区分し、管理レベル・管理方法を決めることが大切ということだ。尚、重要度によって管理レベルを変えるのは、すべて同じレベルで管理するというのは、実質的に難しい。

 ところで、技術者を退職させないということも重要だといえる。とりわけ、中核の技術者になると技術ノウハウの大半を修得しているケースが多く、転職先は、それらのノウハウを活用できるところになるケースが多い。従って、いかに転職を防止するかの対策を日頃から打っておくことが大切だ。法的には規制できないが、日本などに勉強に行かせる際には、10年間は退職しないというような誓約書を出させる等は有効な方法だ。また、日頃から退職を招かないようにコミュニケーションに努めることが大切と言える。
次回は、進出前に、知財という視点で、事前に決めるべき生産方針等について述べる。 

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