【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

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2015年09月

文責:ジェムコ日本経営 執行役員 ニュービジネス開発事業部 事業部長 財田 和典 


◆“神業”の存在

 今回は、“この分野では誰にも負けない”という高度な専門技術を有するシニアの技術者による技術コンサルティング。そんな“神業”の一端を、今回ご紹介します。(守秘義務の関係で詳細にお伝えできないのですが、なんとかイメージだけでもつかんでいただければと思います)
「技術の神様」のホームページは、コチラ


◆<例その1>鋳物の現場 「3分で状況を解明、課題を即解決!!」
 「ある部品を鋳物メーカーから供給してお客様に納品したら破損した。当社には鋳物に詳しい者はおらず対策に困っています。ジェムコさんには鋳物の専門家はおられませんか…?」
 

機械メーカーからこのようなご相談があり、早速、取引先の鋳物メーカーに “鋳物の神様”( 技術コンサルタント)と伺いました。鋳物の神様は、現場をサッと見て、ものの3分ぐらいで外に出てしまいました。私は、体調でも悪いのかな…と心配しました。ところが、技術の神様は、「もう分かったからいいんだ!」といいます。


実際、鋳造品の破損部を20倍の顕微鏡で観察したところ、微細な巣(鬆)が無数に入っていました。


「中子(ナカゴ 空洞部を作る型)に水溶剤を使用しているので、主型の型合わせの直前に、バーナーで主型の表面をよく焼いてアルコールを飛ばさないとダメですよ。」


また、他の鋳造品も見てもらったところ、


「全体的に湯を入れる口が小さすぎますよ。これでは製品の端っこでいろいろな不具合が起きますよ…」


それから、鋳物ですから非常に熱い。何度も火を止めたり、戻ったりで効率も悪い。炉からの出湯から型への注湯まで(炉⇒大取鍋⇒保持炉⇒子取鍋⇒型)へと湯が移る度に空気にさらされ、その度に湯の温度が下がってしまいます。

「だから元の温度は高くないとダメですよ」


等々、その場で不具合の原因を即座に見抜き、変えましょうと改善しました。先方もビックリされました。現場で3分で問題解決し、具体的な技術コンサルティングの導入へと相成りました。


◆<例その2>精密加工の現場「大学で教えない基礎も解説」
 ある精密加工現場での例です。機械加工の現場の方は「機械加工の基礎は分かっとるわい」と言われます。

それに対して技術コンサルタントは、図、資料などを見せて、例えば

『切削とは、削られる材料とそれより硬い材料のぶつかり合い、こすり合い』

と分かりやすく解説します。現場の方もこうした説明はこれまでに聴いたことはありませんでしたから、初めて分かってきます。

また、機械加工の位置づけと流れについては、図解を用いながら「『設計』⇒『製図』⇒『機械加工』⇒『組立』⇒『完成』という全体の流れを考えて仕事をするんですよ」と、これもわかりやすく解説します。現場の方はこういった形ではほとんど教わったことがありません。


また、

「よい切削性能を得るための要因」について、いわゆる「魚の骨図」(特性要因図)

などを既にコンサルタントが持っていますので、現場の方に時間をかけて考えさせるのではなく、実務に即した「切削の基礎」を分かりやすく教えます。


あるいは、固有技術のみならず、仕事の取り組み方など、大学でも教えない基礎をやさしく教示します。これらはほんの一例ですが、マネジメントコンサルタントとは異なる 技術コンサルタントの仕事のイメージはこのような現場密着型で進められます。


 確かに“神様”は高度な専門技術に詳しいコンサルタントですから、先ほどの鋳物の例のように、現場でどんどん具体的に問題を解決するのですが、その一方で、現場の方に対しては、神様オリジナルのテキストや図解資料などをきちんと提示しながら、ものづくりの原理原則ということを分かりやすく教えることも多くあります。


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文責:ジェムコ日本経営 常務理事 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

今まで、海外で発生する問題と対応について述べてきた。前回は、それらのまとめとして、本社機能の一つとして、監査と事前の出向者教育の重要性を述べたが、今回は、これらグローバル本社の機能として整備すべき事項について述べることにする。基本的に、グローバル本社機能としては、大きく、3つの機能が求められる。
 

◆1.管理・牽制機能

 一つは、管理・牽制機能である。これは、前回述べたことだが、海外拠点が日頃から管理すべき事項を、管理帳票として整備し、それを使って日頃からグローバルに管理推進する機能である。人災を防止すると共に、グローバルに計画に基づく経営推進を図るための基本として、これらの整備は重要だ。併せて、管理帳票と共に、事前の経営見通しを踏まえた先手の対策指導も行なえることが望ましい。グローバル各社が計画に基づく推進を図ることが連結での計画達成を図ることになるからだ。また、海外各社への投資が計画通りに回収できているかという投資回収管理も大切だ。課題会社がどこかを把握し適切な対応策を打ち出していくことが必要だが、これを把握するためのベースは、これらの管理ができていることが基本になる。また、前回述べた定期的な監査(経営監査や品質監査、環境監査等)で、帳票だけではわからない問題を、現場に出向いて確認することで事前に問題を発見し、早期に問題の芽を摘み取るようにすることも重要な機能である。


◆2.戦略機能

 二つ目の機能は、グローバル戦略機能である。常に経営環境は変化する。また、市場も変化する。課題拠点があるのに放置したままというのでは全社の足を引っ張ることになりかねない。また、グローバルに事業を拡大するためには、新たな市場獲得を目指した展開が必要不可欠である。新たな市場開拓、そのための供給拠点戦略、また、供給拠点の見直しや、既存拠点の統廃合を含めた再編等、常に時代変化を踏まえて的確な戦略を打ち出していくことが大切だ。そのためには、これらの戦略検討に必要な情報が整備されていることも重要だ。例えば、どの拠点で製造するといくらなのかといった原価情報一つがわからないのでは、供給拠点戦略を検討するのにも一苦労ということになる。これら常に戦略を見直し、また、検討していくための情報の整備も、適切な戦略を立案するためには大切ということだ。
 

◆3.サポート機能

 三つ目の機能は、グローバルサポート機能である。情報システムや法務、また、人事やものづくり等、各拠点へのサポート機能である。各拠点それぞれで、この機能を持つのは非効率であったり、難しいというものは、グローバル共通でのサポート機能があると有効だ。最近では、地域本社を設立する企業も増えてきたが、地域としての戦略の立案と共に、地域としてのサポート機能、財務センター機能等を地域本社に移管して、現地に即した迅速な意思決定や現地に即したサポート体制を築いていくということがその狙いである。実際、各国で法律も異なるし、また、労働環境も異なる中で人事制度や採用方法も変える必要がある。それぞれの地域で行なった方が有効ということが多いからだ。

◆内なる国際化の問題

 ところで、これらグローバル本社機能の整備と共に、やはり重要なことは、内なる国際化である。ある海外拠点K社社長の愚痴を紹介しよう。

「日本の各部署から、すべて日本語で、色々な資料を出せと私のところに送ってくる。現地語でとまでは言わないが、せめて書類は英語にしてくれれば、そのままローカルに渡せるが、すべて日本語では翻訳しなければならず、これらに対応していたのでは、まともに現地の経営もできない。しかも、送ってくる書類は、各事業部門別に、内容は同じようなものにもかかわらず、全部様式も違う。せめて、帳票はグローバル共通にして、ローカルメンバーがわかる様式にし、直接、日本の担当者はローカルメンバーとやりとりしてくれ。」

さて、皆さんの企業では、いかがであろうか。現地の出向者は単に日本との連絡窓口というようなことになっていないだろうか。グローバル化の加速には、経営の現地化の加速と共に、内なる国際化は必須条件となる。日本人が誰もいない海外拠点となれば、どうしないといけないかということだ。また、そのような状態で適切な経営推進を図るためには、グローバル本社としての管理・牽制機能等は必須ということになる。特に、海外拠点の増大に伴って、これらの体制構築が重要なタイミングになっている企業は多い。まだ、十分に整備ができていない企業は、意識してこれらの体制構築を推進されてはいかがだろうか。

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