【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

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2016年01月

文責:ジェムコ日本経営 ジェムコ日本経営 取締役 小倉明男

前回、「働き方改革」の本質の一回目として「主体的に働く」ということについて取り上ました。今回は、二回目として「未来を考え、夢をもつ」ということを考えてみます。 

◆夢がない、いまの日本の職場

 かつて、高度成長時代のサラリーマンは、一生懸命働いて給料を上げ、テレビを買い、洗濯機やクーラーを買い、余裕ができたら車もほしい、最後は家が欲しいと、現実的ながらも夢をもって仕事に取り組んできました。そのためには、多少の理不尽なことは我慢していました。これも、そうした夢があったから、同じ夢を持つ仲間がいたから我慢できたのです。

 いまの20代、30代のサラリーマンに聞くと「特に欲しいものはない」「夢なんて考えたこともないですよ」と返事が返ってきます。以前日経新聞の新入社員に対するアンケートでは「できたら働きたくない」と答えた人が29%、働く目的で最も多かったのが「安定した収入のため」で69%という結果だったそうです。仕事を生活の為と割り切る傾向が鮮明になっているとのことです。

 一方、会社のマネジメントも多くは数字だけの目標管理制度で、「あなたはこの数字を達成しなさい」と、プロセスはさておき結果だけの管理をしていることが多いようです。これではマネジメントではなく、放置になってしまっていないでしょうか。

 いままでの管理型経営は従業員に、「あなたを信用していませんよ」というメッセージを絶えず発し続けているようなものです。そして「夢など持たずに間違いなく仕事をしろ」と言っていように思えます。だから言われたことはやるがチャレンジしない社員“ことなかれ社員”が増えているのではないでしょか。

◆思えば叶う

 世の中には奇跡と言われることが沢山あります。昨年の南アフリカを倒した日本ラグビーがその典型です。それを実現した人はみな、長らく夢として持ち、あきらめることなくできると信じてきた人たちです。思っていれば何らかのチャンスは必ず来る。実現へ向けてのアイディアが湧く。誰かがヒントをくれます。常に思っているからそれにつながるのであり、思っていなければ人もアイディアもすべて素通りしてしまいます。

 「それは無理」「やっても無駄」は、すべての可能性を潰してしまう最悪の言葉です。人間の持つ、神様から授けられた個性と能力を発揮するためにはまずは「できる」と思うことです。

◆失敗は成功のもと

 エジソンの「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ」という言葉が物語るように、いまの人たちは、上手くいかない方法をあまりにもやっていないのではないでしょうか。情報が氾濫する現代は、事前に情報を得て失敗しない方法、失敗しない基準をつくり出しているので、なぜ上手くいっているかさえも分からなくなっています。

 我々がつくってきた社会は、失敗しない仕組みで成り立っているともいえます。それは、先輩たちが苦しみ、思考錯誤を繰り返して沢山失敗して仕組みができたからです。つまり仕組みはできたが、物事の基準やルールをつくるための失敗を経験させていない人たちをつくってしまっているのです。ボタンを押せば製品ができる。夢も持たず、間違いのない仕事をする。つまり、“ことなかれ社員”をつくってしまったのは、失敗を恐れる私たちなのです。

◆夢は未来にある

 未来を考えるのは「自分のやりたいことを見つけ」、その時代が来た時に“できるようになっている”ことです。だからワクワクするし、ない時間を創って努力が続くのです。最近、参加している田中栄氏が主宰する「未来予測」コミュニティーで、未来を語り、未来をつくる人たちと行動していますが、そこでは誰も“無理”とは思っていません。まだ実現しないけど、必ずできると思っています。良い思いで行動すれば良いことがどんどん起こり、必要な人との出会いがあり、夢の実現性が見えてきます。このコミュニティーでも、夢を持つ人の周りに人が集まり、必要な人が現れ、アイディアが湧き一歩ずつ夢が実現していくプロセスを見ます。まさに奇跡が起こるのです。

◆夢を語ることから始めませんか

 いま会社にとって必要なことは、社員一人一人の個性と可能性を認め、夢を語る風土文化をつくることではないでしょうか。マズローの6段階の生理的欲求、安全の欲求、社会的欲求はすでに満たされており、これからは認定欲求、自己実現欲求、自己超越欲求が強い時代になっているのです。

 自分のいる会社を通じて自分の個性と可能性を発揮するために未来に向けてどんな努力をするのか、その未来が来た時の成長した自分の姿がどんな姿なのかワクワクしながらイメージする。そして、その実現のために会社や仲間がバックアップする。夢を語る人たちは元気で明るくコミュニケーションが活発になります。そうした風土文化づくりが必要なのではないでしょうか。

“自分の人生の可能性を最大に発揮するための働き方改革”を、いまから始めてみませんか。


次回は「関係性の向上:思い込みの罠」について取り上げます。


 

文責:ジェムコ日本経営 広報室 マーケティング担当 安村亜紀

◆今月のランキング

2016/1/28次点のYahooニュース国内テーマ上位ランキングは1位ベッキー 2位サッカー五輪代表 3位SMAPとなっている。(人気の国内テーマをランキング形式でお届け。Yahoo!ニュースでは、新聞・通信社が配信するニュースのほか、映像、雑誌や個人の書き手が執筆する記事などを掲載しています。とのこと)
YahooNEWSテーマランキング

SMAP解散危機騒動について、経済界でも名だたるやり手紳士淑女のみなさまとFacebook上で、議論になっている。それが単なるミーハーではなく、自己反省も含めて実に考えさせられる内容だ。


「SMAPSMAP」でのメンバー五人の謝罪会見は、「ジャニーさんに謝る機会を頂き...」「ご心配かけてごめんなさい」つまり解散はしませんとのこと。明らかに事務所にやらされている雰囲気が伝わる。解散回避には安堵したが、モヤモヤする内容だった。同時に、「仕事」とは何か?改めて考える機会にもなった。

マネージャI女史の功績があって国民的アイドルSMAPが存在することは間違いがない。ジャニーズ事務所の業績が振るわなかったころ、SMAPの隆盛で業容が拡大したことも間違いがない。
しかし、I女史は勤め人として業務遂行をしていた(オペレーション)。一方、メリー/ジュリーさんは家業を商っている。商いだ。財産も人生もかかっている。I女史は、ジャニーズという軒先で動いていたからこその業績である。オペレーションと商いは違う。ところで、この騒動の発端は、以前から囁かれていた「ジャニーズには派閥があるのでは?」という問いにメリー副社長が答えた雑誌取材にある。「派閥など無いがもしあるなら、それは娘と対立するということ。娘を取るのは当たり前。対立するならI女史はSMAPを連れて出てけ!」
というアレだ。メリーさんからしたら、家業なので当然だと思う。I女史からすれば公然と出ていけなんて言われたわけで、そりゃ誰でも辞めてやる!となる。

メリーさんが家業を守ろうとするのは当然であるものの、公にI女史出ていけ!なんてやるのは感情的で経営者としては駄目だと思う。「心配をかけたファンに謝罪を!」までは良かったが、夢を売るアイドルビジネス
をしていて、裏を見せてしまったのはバツ。商いの失敗。

一族のやり方に我慢ならずSMAP連れて独立しようとしたI女史は、あくまでサラリーマンなのでわきまえていなかったということ。これも駄目だ。

この一連事態、一般社会でもよく見かける。他山の石として眺めるだけではなく、教訓としてとらえるべきだと思わされた。
2016年JEMCOのスローガンは、「当事者意識」。
SMAP解散騒動のことを思うに、お客様の商いに関与する当事者として、お客様の商いを改善改革するオペレーションを担う立場。絶妙なバランスで仕事をしたいと強く感じた次第である。

(ランキングとSMAPネタの関連付けが若干無理やりでスイマセン。)

文責:ジェムコ日本経営 常務理事 グローバル事業担当コンサルタント 高橋 功吉

  2016年がスタートした。今回は、連載中の内容は次回にして、2016年のグローバルでの事業展開課題の一端について述べることにする。

年末になると、いつも注目している調査結果が発表される。一つは、四半期単位で日本経済新聞社が行なっている社長100人アンケート*1だ。毎年年末に発表される内容は、来年について主要な企業のトップがどう考えているかの調査結果が発表される。来年に向けての事業課題や投資意向等を把握するにはよい調査資料だ。また、もう一つ、注目しているのは、毎年12月にジェトロから発表される「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」*2だ。これは、アジア・オセアニア地区に進出している5000社近い企業の回答をまとめたもので、主要国の状況や課題を把握するには、大変よい調査資料である。



◆中国拠点の方向付け

 ところで、昨年末に発表されたこれらの調査結果を見ると、社長100人アンケートでは、国内景気については1年後ということでは、①よくなっている②改善の兆しが出ているとの回答を合計すると77.9%と、大半の経営者がよい方向に向かうとしている。しかし、そのような中で、やはり懸念事項としては、中国経済の動向と言える。中国の景気の現状をどのように認識しているかという質問に対しては、④緩やかながら悪化している⑤急速に悪化しているを合計すると、53.4%の経営者が悪化してきていると認識。さらに中国経済減速による経営影響としては、④ややマイナスと⑤マイナスを合計すると67.6%を占めており、影響内容としては、中国での販売減少、中国への輸出の減少のみならず、中国の工場の生産縮小を上げている企業も26.5%にのぼる。ところで、ジェトロが昨年12月22日に発表した「2015年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」をみると、回答した中国進出企業874社では、過去1年での従業員数の変化では、1/3近くの32.8%の企業で現地従業員数は減少と回答している。増加したところが22.9%あるものの、これらを見ると、明らかに、中国での生産規模の縮小、拠点の縮小が加速していると推察される。

この背景には、中国経済の減速ということだけではなく、人件費の高騰が実は大きな要因となっている。上海の最低賃金を例にとると、2010年には1120元だったものが、2015年には2020元と、この5年で倍近くになった。ジェトロの同調査でも、経営上の問題のトップは従業員の賃金上昇となっているが、アジア・オセアニアのすべての国の中で、賃金上昇を経営問題としてあげた企業は中国の84.3%がトップとなっている。実際、中国の日系企業では人件費の高騰と共に年々利益が大幅に悪化。生産品目の見直し、さらには、事業構造の変革に迫られている企業は多い。特に、製造業の中でも、繊維や食品といった労働集約型の企業は、赤字に陥っているところが多く、ジェトロの同調査の中国編を見ると、2015年度の見通しとしては、繊維では38.5%、また、食料品では38.1%の企業が赤字の見通しとなっている。

また、中国を輸出拠点にしていた企業は、その役割をASEAN等にシフトするなど、グローバルでの供給拠点戦略の見直しを迫られた企業は多く、労働集約型の生産品目をやめ、中国市場向けの高付加価値商品にシフトするなど、事業戦略そのものの見直しが加速している。


◆ASEANでは、投資したい国はインドネシア、タイだが・・・

 さて、中国に対し、東南アジアへの投資拡大意向は強い。社長100人アンケートの中で、「東南アジアでの事業規模を中長期的にどうされますか」という質問に対しては、拡大するが51.0%、やや拡大するが26.3%と、77%もの企業が拡大を目論んでいる。この背景には、中国市場の動向や中国での人件費高騰問題もあるが、昨年末に発足したAEC(ASEAN経済共同体)の発足も一つのビジネスチャンスと捉えている企業も多い。ASEAN諸国の中で重点的に投資したい国としては、1位がインドネシアの35.9%。2位がタイの30.3%、3位がベトナムの22.1%となっており、この3国が突出している。確かに、ASEAN最大の人口を抱えるのはインドネシアであり、市場という意味でも当然と言える。また、人件費では、まだベトナムは他国と比較すると安いのも事実だ。しかし、これらの国でも、大きな問題は、中国同様の賃金上昇である。特に、インドネシアやベトナムは人件費の上昇が激しい。例えばベトナムでは、ハノイやホーチミンといった地域1で、2011年に155万ドンだった最低賃金が2015年には310万ドンと4年でちょうど倍になった。インドネシアも、地区によって異なるが、例えば、ブカシ県であれば、2011年には1286千ルピアだったものが、2015年には2925千ルピアと、この4年間で、2.3倍になっている。実際、ジェトロの同調査結果を見ると、経営上の問題点としての賃金上昇については、インドネシアが中国に続いて80.5%、また、ベトナムが3位で77.9%となっており、実は、中国と同様の課題を抱えているということだ。

すなわち、現在は、人件費率が15%程度の企業でも、4年も経つと、人件費率は30%を超えることになってしまうということであり、早晩、今のままでは、中国と同様、事業が立ち行かなくなる可能性が高いということだ。

◆◆日本のものづくりが試される時

 さて、2016年のグローバル事業展開ということでは、これらの環境変化からも明らかなように、さらなる製造拠点戦略の見直しが必要になってくるということであり、いかにスピードを持って対応するかが鍵になる。対応が遅れると、それだけで赤字に転落すると共に、大幅な赤字拡大という事態を招くことになる。また、ミャンマーをはじめ、さらに人件費の安い地域への展開やシフトということもあるが、併せて重要なことは、いよいよ、日本のものづくりの真髄が試されるタイミングになったのではないかということだ。すなわち、新たな工法開発を含め、日本のお家芸だったものづくりの進化が、グローバルでどれだけ展開できるかという時期になったということではないだろうか。

すでに、中国などでの工作機や生産設備の展示会では、おもちゃのようなものも多いが、ロボットの展示が増えている。ロボット化、自動化が必須になっているということが背景ということなのだが、日本のものづくりは、単にロボット化だけではなく、そこに、新たな工法を織り込むことで、どうやって作ったのだろうかと言わせる「ものづくり技術」があった。品物を見ればこういうものだとわかるが、どうやって作るのかわからないようなものであると簡単には真似はできない。このことは、以前、コラムの中でも記載したことがあるが、実は、ものづくりのブラックボックス化は日本のお家芸の一つだったはずだ。

どの拠点も、人件費は高騰している。それを凌駕できるものづくりが、これからの日本がグローバルで生き残るためには重要になるが、2016年のグローバル展開の中には、ものづくりをどう進化させるのかというシナリオも大切になるのではないだろうか。新たな工法開発を含めて、日本のものづくりが試される時が来たと言えるのではないだろうか。



*1上記文面の中の日本経済新聞社の社長100人アンケートの調査結果は、2015年12月21日付けの日経産業新聞に掲載されたものから引用。

*2ジェトロの「2015年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」及び「同中国編」は、下記サイトより引用。

https://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/4be53510035c0688.html

https://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/0b534b5d88fcc897.html



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