【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

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2017年03月

文責:ジェムコ日本経営 取締役 小倉明男

◆感動の報告会

ある大手企業の地方工場の活動報告会に参加してきました。昔でいう小集団活動のようなもので10組が職場ごとに20分の活動報告をするものです。私も35年この仕事をしているのですが、久しぶりに元気で、明るく、中身のある活動報告で、全くやらされ感のない現場主体の活動報告でした。

時間削減やコストダウン、福利厚生面の改善など多数の改善活動成果の報告がされ、既に実施に移されているものがほとんどでした。定量的成果も想定以上に達し、本社から来られていたスタッフや他工場の参加者も「何があったんですか?」と驚きを隠せないものでした。

他工場から参加した人から「どうしてそんなに部門間で協力できたのか?」という質問が多く聞かれましたが、当たり前の様に「私たちの工場ですから・・・」「皆でよくしていきたいから・・・」というもので、とうの本人たちは「なんでそんな質問するんですか?」という反応でした。 

◆夢をもつこと

 この工場は立地的な条件も悪く、なかなか人も集まらないので閉鎖も噂されていることもあり、なかなか社員のモチベーションも業績も上がらず、改善への突破口を見いだせない状況でした。

そこで、ジェムコと連携(支援ではない)して元気のある工場になろうということで、活動を始めたのが1年半前でした。まずは幹部が合宿をして工場の将来の夢をつくってきました。この夢が彼らの一番の原動力となり「全員参加で安全で儲かる工場にしよう」という合言葉になったのです。

一方、職場リーダーは今抱えている現場の問題点を共有しました。職場ごとになにが問題となっているのか、アンケートなども取りながらまとめて行きました。

ここで将来の夢をつくった幹部と現実の問題を共有した職場リーダーが腹を割って話し合いをしたのです。ここが肝のところです。職場リーダーからすれば「将来の夢は実現したいが、現状の問題を抱えながらどうしてそんな夢が実現できるのか?まずそれに取り組む時間などない」とのことでした。そこで話し合われた結論は、「夢に向かうために時間をつくろう」ということでした。

まずやったのは、会議や報告書作成など本社や工場幹部で意思決定できるものを削減したことでした。約4000時間の削減になったとのことです。そこから次は、現場の活動となって行って年間で約20000時間を削減したのです。 

◆仲間とともに歩むこと

 発表会の中で特に感じたのは、課長と職場リーダーとのコミュニケーションが良いことで、その信頼関係の良さがうかがえました。各職場リーダーの発表の後に課長のコメントがあるのですが、お酒を飲んだ時のエピソードや趣味で一緒に遊んだことなど、仕事外での話が多く、よい人間関係ができていることがうかがえました。

どんな方針も指示も関係性が悪いとなかなか徹底できませんが、この工場には皆で協力してやり遂げる力を感じました。

そういえば、工場長が我々だけにもらした感想は「方針が伝わるということが初めて実感できた」とのことでした。 

◆教えないコンサルタント

 この活動は、課長が中心になって職場リーダーの単位で活動をしました。そこでのコンサルタントの役割は、課長と職場リーダーの話を聞くことでした。但し、“能力もやる気もない人間は一人もいない”という信念をもって聞きます。

冒頭の幹部と現場の腹を割った話し合いの後は、「それじゃーやろう」となった課長と職場リーダーの話をひたすら聞くことでした。最初は、会社や上司に対する不平不満ばかりだったそうです。しばらく不平不満を言うと、「実は日頃からこんなことをやってみたかったんだ」「こんなことをやると皆が楽になるんだ」と日頃思っていたがやれていないことをやってみるという宣言をし始めたのです。課長中心に「こんなことをやってみないか」「夢のある職場にしよう」という発言に、職場の人たちも響いてくれたのです。 

◆主体性をもつこと

 主体性を待たせることが本人にとっても、会社にとってもいいことは分かっているのですが、企業の中での話を聞くと似て非なるものがとても多いのです。

ある会社の役員は「うちは働き方改革を小集団でやらせています。各小集団に予算を持たせて何でもいいのでテーマを持って取り組めと言ってるんですよ。私が現場まで行って、私が若い頃はこんなことをやったんだとか、こんなことに取り組むと成果が出るよと、しっかりアドバイスしてあげないと活動できないんですよね」と・・・。これって主体的活動なのでしょうか?

今回の報告会を聞いて、この活動は継続すると実感できました。それは主体的に自分達の職場を皆でよくしていこうという意志が感じられたからです。そこには、コンサルタントの指導もトップダウンの指示もいらないのです。

印象的だったのは報告会でジェムコという名前もコンサルタントという言葉も一切出なかったことです。私は心の中で本当の黒子に徹したコンサルタントに惜しみない拍手を送りました。

 

文責:ジェムコ日本経営 成長戦略コンサルティング事業部 事業部長 森岡 琢

前回の本連載予告編では新規事業を構想し、立ち上げ、軌道に乗せ、
成長(収益化)させていくという事業のライフサイクルを、以下の図を用いて俯瞰しました。

テーマ領域


第1回では最初のステップである
「新規事業のフォーカス領域選定」における基本的な考え方について解説します。

皆さんは新規事業のアイデアを構想する際、どのようなステップを踏むでしょうか?
我々が見てきた多くのケースでは、世の中の動向や将来のニーズを広く想像し、そこから
自社のリソースが活かせるようなことを自由に発想する、ということが多いようです。
一見すると間違っていなさそうなやり方ではありますが、検討領域をあまりに広く取ってしまう
ことで、思考が発散し過ぎ、まとまるものもまとまらないという状況に陥り易いケースをよく見ます。
 
こういったことを回避するために、最初のステップとしてジェムコでは
「新規事業を構想する検討領域をフォーカス」することをお勧めしています。
新規事業なのに検討領域を限定してしまうの?と疑問に思われるかもしれませんが、あえて
枠を設けることで、四方八方に思考を飛び散らかすことなく、自由な発想を促すことも可能です。

その際に注意したいのは、自社の既存領域に近接する関連領域からフォーカス領域を定めよ、
ということです。逆に言うと、自社が全く知らない(素人である)まっさらな新規領域にいきなり走って
はいけないということです。
 
新規事業とは元来リスクが高いもので、「一発当てる」ことを狙うのではなく、「成功確率を上げる」
マネジメントが必要です。そのためにはある程度目や鼻が利く領域でなければ舵取りが困難になります。(まっさらな新規領域でいきなり成功できる程、美味しいものは転がっていないということです)
図2

図3

上記の図は既存領域・関連領域・新規領域の関係をごくごく簡単に表したものですが、
まずは関連領域の中からフォーカス領域を選定しようということです。
例えば家具メーカーであれば、住設機器や建材を関連領域と捉えることが出来ます。
そしてそのフォーカス領域の中でアイデア発想することがジェムコ流新規事業構想の
第1ステップです。

次回(第2回)は新規事業のタマ出し(テーマ出し)についてのポイントを解説します。
 

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