【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

成長戦略 | 技術伝承 | グローバル | 改善改革 | コストダウン | 等 プロジェクト現場から最新情報やお役立ち情報をお届けします。

2017年07月

文責:ジェムコ日本経営 営業部


我々コンサルタント会社にとっての報告会とは、そこですべてのコンサルティングの評価が下される緊張する場面です。メンバーとは血のにじむ思いで頑張っても報告会でトップから「こんな内容じゃ評価できない」と言われてしまえば落第点になってしまいます。

過去には、ある楽器メーカーの社長から「エクセレント。感無量」という言葉を頂いた感動的シーンもありました。 

今回ご紹介するのは、技術力の高い高収益体質の電子部品メーカーでの報告会です。

この会社は、高い技術力はあるのですが、謙虚すぎて「せっかくのブランド力が活かされずもったいない」と言われており、会社名も知る人は知るという感じで、新卒の採用にも困っていました。

そこで、外に向かって訴求する力をつけようということで広報を中心としたコンサルティングを展開し、今回の報告会となりました。主な発表の内容は次のようなことです。

まずやったことは、プレス発表会です。雑誌・新聞社の記者に会社に来てもらっての名刺交換からです。全員の記者が訪問は初めてで、多くの記者からは「名前は知っていたけど・・・」「こんな技術があるんだ」「これは話題性が高いですよ」など多くの反響を呼び、技術者インタビューの記事は複数社で無料での記事化を実現できました。これはのちに展示会などの集客にも効果を表しています。

展示会も上記の記事化に加え、製品をかたどった手ぬぐいが受けて、名刺の交換数が前年の4.5倍になり、トップの方々も驚いていました。たかが手ぬぐいですがユーモアがあり好センスのもので、営業からも使いたいという申し出があり、営業がサンプルをその上に置いて説明をしたのですが、顧客からは「サンプルよりこの手ぬぐいをください」と言われるほどだったそうです。発表会場の皆さんは大笑いしていました。 

今回は、雑誌の記事も外に向かってだけではなく、100周年に向けて社長から若手社員へのメッセージも含まれています。「常に期待に満ち溢れる未来を向いて、未来が来るのを待つのではなく主体的に未来をつくっていく積極的な風土をつくり、お客様の期待を100周年に向けて醸成しよう」というものです。

とても夢のある良い会社だとつくづく思いました。 

こうして、笑いの絶えない報告会が終了しました。コストダウンの報告会などでは、プロジェクトX的な「根性と最後まであきらめない覚悟で成し遂げた」というような感動的なものもあるのですが、今回は広報ということもあり、希望に満ちた楽しい報告会で好評価を頂くことができました。

文責:ジェムコ日本経営 成長戦略コンサルティング事業部 事業部長 森岡 琢

前回(第2回)では「新規事業のフォーカス領域」を選定(第1回)した後の、「新規事業のタマ(テーマ)出し」について解説しました。


テーマ領域


第3回と第4回の一部で、選び出した「タマの事業化戦略策定」について解説します。
事業化戦略策定は次の2つのフェーズから構成されており、今回は①の要点を説明します。

①戦略構想の与件明確化フェーズ
②戦略構想フェーズ

戦略構想の与件明確化とはつまり、戦略構想に影響を与える情報の収集・整理・分析・解釈に
あたります。

ジェムコでは具体的に次の3つの活動を通して、戦略構想のための与件を明確化しています。
(1)競合企業の実態調査
(2)受容性調査(フィールドワーク)
(3)参入障壁分析

(1)競合企業の実態調査
新規事業領域で既に活動しているプレイヤーの事業実態を調査します。定量情報・定性情報を収集し、競合企業の事業実態から、事業特性や成功要因を探ります。

競合企業は、リーダー企業(フロントランナー)、チャレンジャー企業(対抗馬)、ニッチャー企業(独自ポジションを築いている企業)からバランスよく選ぶとよいでしょう。またあまり多くの企業を選び過ぎると調査が目的化してしまいがちなので、3~4社で充分です。

(2)タマの受容性調査(フィールドワーク)
これまでの過程で選び出したタマは、いわば机上で論じたものです。市場で本当に受容されるかどうかはまだ分かりません。その一次試験として、顧客候補やチャネル候補、学会の権威・有識者にタマをぶつけてみて客観的な反応やフィードバックを得ることで仮説を磨きます。(場面設定はジェムコでも支援しています)

この活動は困難も伴います。地道であるだけではなく、否定もされるからです。「特に必要ではない」「やめたほうがいい」という意見も当然出てきます。いきなり全肯定されるほど、新規事業は甘くありませんし、美味しいものもありません。ですがこの活動を行い、仮説再検証・再設定を繰り返すことで、タマが磨かれていきます。

(3)参入障壁分析
(1)(2)の結果もふまえて、新規事業領域への参入障壁を抽出し、個別の障壁の影響度を分析しながら、対応策・克服策を検討します。

これらの活動を通して、事業特性、顧客特性、製品(サービス)特性をしっかりと見極めて、重要成功要因を導き、それらの獲得方法を検討します。この獲得方法こそが戦略と呼ばれるものとなります。

今回は以上になります。
次回(第4回)は「タマの事業化戦略」(パート2:戦略構想編)と「新規事業のバリューチェーン構築についてのポイントを解説します。

文責:ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部 丸川 隆文

前回の本稿にてドラえもんを作っていこうという方向性?を記載いたしました。ドラえもんというと、「タケコプター」や「どこでもドア」などのツールをいろいろと出してくれるネコ型ロボットでしたね。もちろん、状況に応じて提供するツールを適時選択してくれるAI搭載型です。

とはいうものの、そもそもドラえもん自体がツールですので、ドラえもんを世の中に送り出す目的をまずは考えておきましょう。コンセプトを「人の生活を楽にする」としたとして、どういった人や場面で困っている人を想定しておくかも考えておきましょう。

ここでは原作に忠実に、特殊な技能や技術を必ずしも有さない一般的な人が、日常生活で起こりうる「ちょっとした困り事」の手助けを行なうようにしたいと思います。決して、金儲けのためのツールに活用されることが第一義とならないようにしておきましょう。目的がある程度明確になったので、次に具体的にドラえもんに備える機能を設定していきたいと思います。AI搭載型と言えども、AIが最初から何か考えて自身でプログラミングを作る訳ではありませんので、手始めに「一般的な人の日常生活上での困り事」として、どういうことがあるかを考えてみましょう。とっかかりがないとアイデアが出ないので、ここはSNSとかに投稿されている情報をスクレイピングという技術を使って拾ってみることにしましょう。きっと、泣いたり、汗かいたりしている絵文字やスタンプと一緒に出てくる文言や単語が困り事の可能性があるかもしれませんね。と、みてみると、「寝坊して遅刻しそう」みたいな投稿も多いですね。こうやって、どんどん情報を取込んで、AIに人間の困り事をインプットしていきましょう。とにかく、AIも基本的には統計の延長・発展系であることを考えるとデータが多ければ多いほど、より賢くなっていきますから。

ある程度困り事が集まってきたら、少し開発者サイドで内容を分類して解決策を検討して登録してあげないといけないですね。「遅刻」に対しては、天候さえ問題なければタケコプターでスイスイと空中を移動するのが早そうですね。でも、日本の航空法では勝手に空に物を飛ばしてはいけないのでした。規制緩和が望まれるところです

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