【JEMCO通信】 ジェムコ日本経営 コンサルティング事業部/広報室 編集

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カテゴリ: 10.「生産性向上・コストダウン」は永遠に不滅です!

文責:ジェムコ日本経営 常務執行役員 奥村英夫

前回は、「生産資源の“柔構造化”」を活用した4つの方法論のうちの2つめ、「生産資源の価値向上」について解説した。今回は、4つの方法論のうちの3つ目「生産資源の構造改革」について解説する。

<方法論―3>生産資源の構造改革
生産資源をコア業務へ集中することでコアの度合いの低い業務への人材投入が手薄となる。コアの度合いは低くとも企業の基本機能を果たす必要業務である限り、排除することはできない。そこで、コア業務への集中化をスムースに進めるため「生産資源の構造改革の戦略」が必要となる。生産資源の構造改革は「作業のコアの度合い」と「生産能力の負荷の度合い」で方向付け(下図)される。「生産能力の負荷の度合い」とは、生産資源のロスの大きさに他ならない。

コアの度合いの高い業務は原則社内である。能力に対する負荷が高ければ新たな技術・技能を持った人材育成、設備の改造、導入が必要となる。(図4-4のA ゾーン) 能力に対する負荷が低ければ、現状がアウトソーシングであれば社内へ取り入れることで生産資源のロスが減少し価値は高くなる。(B ゾーン)

 コアの度合いが低い業務は原則アウトソーシングを行う。それにより社内の能力がますます空いてしまう場合はその余力をコア業務に回し人材を補充することが可能である。これにより生産資源のロスはなくなる。(C ゾーンの余力をA ゾーンへ)
尚、コア業務を社内へ取り入れることにより作業コストが上昇する場合がある。しかし、だからと言ってコア業務の取り入れを止めるのではなく「効率的な作業」や「投資の軽減」を工夫することで、「収益の成長力の源泉」の確保を怠らず、「収益の定着化」に繋げていくべきである。
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●生産資源の構造改革の方向性

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文責:ジェムコ日本経営 常務執行役員 奥村英夫

2.生産資源の柔構造化を活用した方法論
前回は、「生産資源の“柔構造化”」を活用した4つの方法論のうちの1つ、「 生産資源のロス削減」を解説した。
これは、生産のフレに対しては平準化を行い、需要の山に対し生産を前倒しすることで「 生産資源のロス削減」を実現するというものである。生産の前倒しには在庫リスクが伴うので、その低減策と共に平準化を行なうということだ。
今回は、4つの方法論のうちの2つ目を解説する。
<方法論―2>生産資源の価値向上
生産資源の“柔構造化”の2つ目は、生産資源の価値向上を図るということだ。生産資源はそのものが存在するだけで価値が生まれるわけではない。部材を加工して製品を作り出す現業の人作業や機械作業、管理間接業務と言ったように「作業、行為」を介在させることで価値を生み出す。
①生産資源の価値
生産資源の価値は作業の機能と作業のコストに分解される。
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生産資源の価値向上の概念式

先ず、上記の式の分子から説明しよう。作業の機能とは作業の結果の企業目的への貢献度である。たとえばある企業の目的として「生産性向上20%により顧客への提供価格を引下げ競争に勝つ」と言う方針があったとする。それに対しある作業の結果が10%の生産性向上となったとするとその作業は企業目的への貢献度は50%、即ち機能の程度は50%とみなすことができる。このように作業の結果が企業目的に沿ったものかどうかが作業の機能を決める。作業の機能が十分果たせていても分母である作業のコスト、即ち生産資源の維持コストが高ければ、作業の価値は相対的に低くなり、逆に作業のコストが低ければ価値は相対的に高くなる。
生産資源の価値は作業の価値の合計に等しいので、作業の生み出す結果の価値が低ければ生産資源のロスがなくとも、企業目的の貢献に結びついていないことになる。それは生産資源を何に活用するかと言う「活用面の問題」があるからである。
②企業目的を果たす中核はコア業務
生産資源の活用のあり方は企業の目的をどう捉えるかで決まる。企業の目的に沿った作業の中で、その企業の競争優位性を向上させ、収益力リスクを回避させる作業を「コア業務」と呼ぶ。コア業務は次のように4つに分類される。
コア業務である以上、「A 利益を生む」「B キャッシュフローを生む」は当然であるが、今後は「C ロスを回避する」「D コンプライアンス・方針対応」を特に意識する必要がある。将来も含め損害を被る可能性があるにもかかわらず、短期ではコストアップすると言うだけで対応しない企業が多く見受けられる。昨今の製造業が引き起こした災害の例を見てもこれらの対応を怠ることは将来に渡り「収益リスク」を背負うことを物語っている。
③生産資源の価値向上のポイント
生産資源の価値向上のためには作業をコア業務へ集中させる必要がある。コア業務を増やし作業コスト(生産資源の維持コスト)を変えずに企業目的により貢献することで、より高い価値を生み出し、将来の収益リスクを早めに摘み取り「収益の成長力の獲得」へ繋げられるということだ。
企業目的を果たすコア業務を意識し、そこに、いかに集中させるかが、生産資源の価値向上のポイントと言える。
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●コア業務とは *クリックで拡大

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2.生産資源の柔構造化を活用した方法論
第1話では、「収益力の定着化」の重要性と、「収益力を定着化」させる打ち手のうち、「生産資源のロス発生のメカニズムの把握について」と「生産資源の”柔構造化”」を紹介した。今回は、「生産資源の”柔構造化”」を活用した方法論、4つのうち1つについて解説する。
<方法論―1> 生産資源のロス削減
生産のフレに対しては平準化を行う。平準化は需要の山に対し生産を前倒しすることで可能となる。
①平準化によるロス低減のメカニズム
平準化によるロス低減のメカニズムは図2-1の通りである。「生産の下ブレによる能力の遊び」が減少し、その分がロスの削減となる。また「生産の上ブレによる限界利益の目減り分」が減少し、その分がロスの削減となる。平準化により収益の機会損失がなくなり「収益力の回復」へ繋がる。
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●図2-1 平準化による生産のロス低減のメカニズム

②在庫リスクと回避策
前倒しすると言うことは需要に対し見込み生産を行うことが前提となる。需要見込みは時間の経過によりいずれ実需となるが、その際見込みよりも実需が少なくなる危険性が考えられる。見込みが実需を上回るときの差は在庫リスクと言える。平準化の推進の制約はこの在庫リスクの存在と言え、この回避策が重要となる。回避策としては大きく4つが考えられる。
A) 製品の需要特性を知り、在庫リスクの少ないものを前倒し生産の対象とする
B) 需要情報を生産側も知り得る仕組みにして、こまめな生産を行うことで「需要に応じた生産を指向して」作りすぎをなくす
C) より付加価値が低い工程での在庫を行い、製品での在庫リスクを低減する
D) 標準化、融通等での転用により在庫リスクを回避する 等
③平準化推進のポイント
平準化を推進しても完全なフラットな姿などありえない。客先の納期や数量変更、あるいは生産ラインのトラブルが見込み計画を大きく狂わし「計画外の対応」を余儀なくされる。このような「計画外の対応」が曖昧であれば欠品等で客先へ迷惑がかかる。
「計画外の対応」のためには俊敏な対応力の基盤が必要である。「計画外の対応」は想定外の例外パターンが多いため、まずは人の技術・技能に依存すると言える。人の技術・技能の俊敏な調達には工程や職能の習熟範囲が限定されることは制約であり、現業、管理間接を問わず多能工化はもとより多職能工化の育成まで踏み込むことが要求される。
しかし多くの製造業では現業を中心に多能工化までは進めていても職場や工場を越えた多職能工化は不十分であり、まだまだ平準化の基盤が脆弱と言え、収益力の足を引っ張っているのが実態である。

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需給の変動が激しい昨今、生産資源を有効に活用し切れていない製造業が多い。需要変動に対して、生産資源のロスが顕著に現れている。各社、場当たり的に生産資源のロスを減らし、収益力を回復しようとしているが大半が抜本的な解決に至っていない。グローバル最適地生産、技術伝承、若手人材育成、等、問題が山積している中、目先の対応に終われ、将来の収益リスクへの備えは短期的にはコストアップに繋がることが多く、ついつい後回しとなりがちである。
そこで、本コラムでは、今回から複数回にわたって「収益力を定着化」させる打ち手について解説していく。まず、生産資源をコストではなく収益の源泉と捉え、中核業務の範囲を新たに明確化する。次に、4つの打ち手により、生産資源を柔構造化することで、将来の収益リスクを早めに摘み取り、どのように収益力の強化を行うか、そのポイントについて解説したい
本コラムでは、生産資源とは、モノづくりに必要な「人」「設備」「技術・技能」のこととする。具体的には、モノづくりプロセスで付加価値を生み出す主体である「人」「設備」「技術・技能」のことである(管理間接も含む)。
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1. 生産資源のロス発生のメカニズム

(1)生産資源のロスとは *本コラムの前提は、設備能力>ヒト能力 の最適化を目指す。
生産資源のロスは大きくわけて2つだ。一つ目は、生産能力に対する生産実績の下ブレによる「能力の遊び」である。二つ目は、生産能力を超える生産実績の上ブレにより残業、休出、能力増強投資等が発生した場合の「限界利益の目減り」分である。
(2)生産資源のロス発生のメカニズム
生産のフレによる生産資源のロスは一般的に次のようなメカニズムで生み出される。
a-1 生産が定時能力を超える部分は残業、休出で対応する。
b-1 残業、救出で対応しきれない部分は間接員の応援で対応する。
c-1 さらに能力が不足する部分はアウトソーシングされる。
d-1 定時能力を下回る部分は能力の遊びのロスが発生する。
(3)生産資源のロスの定量化
生産資源のロスは次のような式で、定量化ができる。
d-1 のロス=不稼動生産資源コスト+本来得られるはずの利益
=限界利益未回収分a-1+b-1+c-1 のロス=限界利益の目減り分
こう言ったロスは収益力の機会損失の温床であり、現状の収益の足を引っ張る諸悪の根源である。
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●生産資源のロス発生メカニズム


2. 生産資源の”柔構造化”で抜本的収益力を強化

根本から収益力を強化するためにはには、生産資源の“柔構造化”という手法が効く。
生産資源の柔構造化は、具体的には4つの打ち手と3つのステップで進めていく。
<柔構造化4つの打ち手>
①生産資源のロス削減、②生産資源の価値向上、③生産資源の構造改革、④材流動化の収益リスク対応-—これら
<柔構造化3つのステップ>
①「収益力の回復(レベル1)」→②「収益の成長力の獲得(レベル2)」→③「収益力の定着(レベル3)」
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●抜本的な収益力強化の概念

生産資源の柔構造化の目指す姿はコア業務への集中と仕事量に応じた柔軟なアウトソーシングである。一方、コスト構造面から見ると「固定費の変動費化」である。コア業務に集中し生産資源からより高い価値を生み出すとともにコンプライアン
ス対応を重視し将来の収益リスクを早めに摘み取ることで収益力の強化へ繋がる。

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中堅製造業の「振り返ればSCM」

◆はじめに
SCMは大手の組立型の製造業を中心に盛んに導入されているが、中堅製造業にはまだまだ敷居が高い概念、戦略であると受け止められている。その背景として、SCM構築においてITの活用や成果の事例が華々しく強調され過ぎ、中堅製造業からは自社の実力からかけ離れたもののように感じられるからと思われる。実際、中堅製造業の何社かのSCM構築を支援してきたが、BPRに基づく定量成果の獲得と意識改革の裏付けが得られて始めて「SCM」という概念が受入られると痛感している。即ち、「振り返ればSCM」の演出が中堅製造業とっては重要なキーワードではないかと思われる。この連載第一回目では、中堅企業で実際に行ったSCM構築事例を紹介する。
◆ プロジェクト概要
(1)電気組立業 規模:年間売上高100億円 株式:店頭公開
(2)テーマ SCM構築による競争優位の実現

◆課題
(1)顧客の納期評価が同業平均を大きく下回り受注拡大のネックであった
(2)大手顧客を中心に短納期、小ロット化要求が強くなってきた
(3)需要の低迷による売上減で大幅な赤字を計上した
(4)このような中で生産機能の大半がアウトソーシングされており身軽な反面、生産性を考えた
設計、技術ノウハウに欠けており、これが納期力の弱さと高コスト構造にしていた

◆主な改革課題
経営側と改革方向性を論議した結果、次のような課題、目標を得た。
(1)顧客納期評価の向上による受注拡大
(2)小ロット短納期要求に対応した生産体制構築
(3)在庫回転率向上
(4)コア技術を有する工程の内製化、一貫化
(5)ABCシステム構築によるコスト管理力強化

◆プロジェクト成功のポイント
課題は広範囲であり全社の部門が関連するが、いきなり全社で検討するよりまず製造業の「エンジン」ともいうべき「物作り」性能を抜本的に強化することからはじめる戦略をとった。即ち、確実な情報に基づく生産を行なうためには、ギリギリまで情報を手元に引きつけて生産することが必要であるが、そのための生産体制や生産計画サイクル、さらには部材調達課題というように、生産系の改革から始め、原因構造を掘り下げ、発展させながら課題の連鎖の中で徐々に関連部門を巻き込み、活動目的と経営要求とを関連させながらBPRを推進していった。

◆進め方
ステップ1 生産の競争優位モデルの構想化
ステップ2 生販の競争優位モデルの構想化
ステップ3 生産モデル、生販モデルの実現
ステップ4 SCMとしての完成
◆☆効果☆
製品回転率   2ヶ月→1.5ヶ月
顧客納期評価  Cランク→Aランク
受注伸び率   △10%(業界平均△10%)→30%(業界平均10%)
工場損益    赤字→黒字

◆改革で構築したSCMの姿
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